オフショア開発

2023.07.03

ネパールのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

ネパールのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

オフショア開発ではベトナムを始めとした東南アジアの国々へ委託することが多いですが、インドなど南アジアの国々のエンジニアも技術的に優れているためオススメです。中でもネパールでは、コストを抑えて優秀なエンジニアを確保できます。この記事では、ネパールのオフショア開発の特徴について、コストやメリット、ネパールならではのデメリットと合わせて解説します。

目次

    1. オフショア開発とは

    オフショア開発とは、海外(Offshore)のシステム開発企業にエンジニア業務を委託することです。

    日本よりも人月単価相場が安い国へ業務委託することで、コスト削減が期待できます。また、エンジニアが豊富な国を選べば、人手不足の日本で探すよりも簡単にエンジニアを見つけられることも特徴です。

    現状ではベトナムやフィリピンなどの東南アジアの国々へ委託することが多いですが、インド周辺の南アジアの国々への委託も注目されています。この記事で紹介するネパールも、インドの隣国の1つです。

    2. ネパールのオフショア開発の基本情報

    ネパールのオフショア開発の基本情報は、次の表のとおりです。

    国民性勤勉な国民性
    公用語ネパール語
    経済状況アジア最貧国の1つ
    日本との時差3時間15分
    エンジニアの技術力優秀な若手エンジニアが育ちやすい
    エンジニアの人月単価20万円前後
    エンジニアの平均年収60万~70万円

    それぞれの概要を紹介します。

    2-1. 国民性

    ネパールは勤勉な国民性であると言われており、日本人との親和性が高いことが特徴です。宗教的にも寛容で、多文化を受け入れる文化もあることから、オフショア開発時のトラブルが少ないこともメリットと言えるでしょう。

    2-2. 公用語

    ネパールの公用語はネパール語です。しかし、ネパールは多民族・多言語国家であるため、教育機関やビジネス現場では英語が使用されています。隣国インドとの関係が深いことから、英語力を活かしたオフショア開発も盛んです。

    2-3. 経済状況

    ネパールは1990年に民主化されて以降、急速に経済発展しています。ネパールは資源に乏しく、現状ではアジア最貧国の1つですが、オフショア開発などで外貨を獲得していくことで更なる発展を目指しています。

    オフショア開発に関わるインフラ環境としては、電力に不安があることが特徴です。ネパールの主たる発電方法は水力発電ですが、国内の電力需要に対して発電量が追いついておらず、計画停電が行われています。計画停電の間はエンジニア業務はストップしてしまうため、開発スケジュールには余裕を持たせておいたほうが良いでしょう。

    2-4. 日本との時差

    ネパールと日本との時差は、3時間15分です。日本のほうが3時間15分進んでいます。なお、隣国インドとの時差は15分です。

    2-5. エンジニアの技術力

    ネパールのエンジニアの技術力は、インドの影響を受けているため高いレベルにあると言われています。ネパールとインドは国境の往来にパスポートが不要なほど密接に結びついており、ネパールの若年層がインドの大学に行くことも可能です。

    ネパールはインドと同じく工科系の大学が多いため、優秀な若手エンジニアが育ちやすいことも特徴です。

    2-6. エンジニアの人月単価

    ネパールのエンジニアの人月単価は20万円前後です。東南アジア諸国やインドと比べても大幅に安いため、かなりのコスト削減が期待できます。

    2-7. エンジニアの平均年収

    ネパールのエンジニアの平均年収は60万円〜70万円程度です。ネパールが経済発展するにつれて、今後は上昇していくことが予想されます。

    3. ネパールのオフショア開発の特徴とは?

    ネパールのオフショア開発は、優秀なエンジニアを低コストで確保できることが最大の特徴です。ネパールのエンジニアはインドのエンジニア並みの技術を持っていることも少なくありませんが、人月単価の相場はインドの半分以下です。

    また、英語を話せるエンジニアが多いため、英語圏からのオフショア開発委託先としても注目されています。

    4. ネパールでオフショア開発をするメリット

    ネパールでオフショア開発をするメリットとしては、次の2点が挙げられます。

    優秀なIT人材をコストを抑えて確保できる

    英語でのコミュニケーションが可能

    それぞれの詳細は次のとおりです。

    4-1. 優秀なIT人材をコストを抑えて確保できる

    ネパールのオフショア開発では、優秀なIT人材をコストを抑えて確保できることが大きなメリットです。

    ネパールのオフショア開発では、PMやブリッジSEでも人月単価相場が25万円程度です。東南アジア諸国のPMやブリッジSEクラスであれば、人月単価50万円〜60万円は必要なので、ネパールでの開発は通常の半分程度のコストしかかかりません。

    人月単価が安いといってもネパールのエンジニアが技術に劣るわけではないので、低コストでオフショア開発を委託したい企業にとってネパールはオススメな国と言えるでしょう。

    4-2. 英語でのコミュニケーションが可能

    英語でのコミュニケーションが可能なことも、ネパールでのオフショア開発のメリットです。

    ネパールは多民族国家であるため、様々な言語のネイティブスピーカーがいます。そのため、教育機関やビジネス現場では、共通の言語として英語が使用されていることが特徴です。また、英語を話す隣国インドとの交流も深いことから、英語スキルの高いエンジニア人材も多数存在します。

    英語でのコミュニケーションであれば、オフショア開発で生じがちなコミュニケーションロスが発生しづらいです。

    5. ネパールでオフショア開発をするデメリット

    ネパールでのオフショア開発にはメリットもありますが、経済発展途上であるが故のデメリットも存在します。

    インフラの整備が十分に進んでいない

    政情不安による支障の可能性がある

    ネパールでオフショア開発を行う場合は、これらのデメリットについても考慮しておきましょう。

    5-1. インフラの整備が十分に進んでいない

    ネパールは発展途上の国なので、インフラの整備が十分に進んでいません。

    先述したとおり計画停電が行われているため、エンジニアが稼働できる日数は少なくなります。また、不測事態によって開発が進まない場合もあるでしょう。

    安定したスケジュールで開発を進めたい場合は、インフラが整っていてエンジニアの稼働日数が多いベトナムのような国へ委託することをお勧めします。

    5-2. 政情不安による支障の可能性がある

    ネパールでオフショア開発を行う場合、政情不安が開発スケジュールに支障をきたす可能性があることを考慮する必要があります。

    ネパールはかつて王国でしたが、2006年以降、絶対君主制から象徴君主制へと移行しました。しかし、この移行に伴う憲法策定作業が難航したり、初代大統領の就任式で使用言語を巡るトラブルが起こるなど、政情の不安定さが続いています。

    直近では、2023年2月に大統領選をめぐる政党間の対立により、多くの閣僚が辞任する事態が発生しています。

    このように、政情不安が治安悪化を引き起こすことで、開発スケジュールに少なからず影響を与える可能性があることを念頭に置いておきましょう。

    6. ネパールのオフショア開発の職種別人月単価

    ネパールのオフショア開発の職種別人月単価は、次の表のような相場です。

    職種ブリッジSEエンジニアPMプログラマー
    単価25万円程度18万円程度25万円程度10万円程度

    ブリッジSEやPM(プロジェクトマネージャー)クラスで25万円程度なので、非常に低コストで開発できます。

    なお、オフショア開発の委託先として人気の国々の一般的なエンジニアの人月単価相場は次の表のとおりです。

    委託先国人月単価の目安
    ベトナム30万円強
    フィリピン30万円強
    インド40万円強
    中国40万円強
    バングラデシュ20万円強
    日本(参考)70万円~100万円前後

    バングラデシュはコストを抑えたい企業に人気の国ですが、ネパールでは更にコストを抑えることも可能です。また、ベトナムやフィリピンなどオフショア開発の事例が多い国と比べると、ネパールでは半分程度のコストで委託できるでしょう。

    7. ネパールのオフショア開発会社のおすすめ4選

    ネパールのオフショア開発企業を4社紹介します。

    ZIN株式会社

    株式会社JODNO

    Deerhold Japan株式会社

    ・株式会社readytowork

    それぞれの企業の特徴は次のとおりです。

    7-1. ZIN株式会社

    ZIN株式会社は、ネパールに特化したオフショア開発サービスを提供する企業です。請負型開発とラボ型開発の双方に対応しています。

    オフショア開発を中心に、業務効率化ツールやEコマースサイトの構築、カスタマーサポートシステムの開発など、多岐にわたるソリューションを提供しています。最新技術を駆使した開発に強みを持ち、クライアントのニーズに応じた柔軟なサービスを展開しており、企業の成長をサポートするパートナーとして高い評価を得ています。
    ネパールで日本語学校「ZIN PESA NEPAL」を運営しており、エンジニアとのコミュニケーションが取りやすいことが特徴です。

    オススメのポイント

    • 多様な開発モデルへの対応
    • 優秀なエンジニアチーム
    • 高水準の日本語教育
    会社名ZIN株式会社
    URLhttps://zij.jp/
    TEL03-6262-9952
    本社所在地東京都中央区日本橋本石町4-5-3
    設立年2016年
    事業内容福祉事業
    エンジニア事業
    ITソリューション事業
    保育事業

    7-2. 株式会社JODNO

    株式会社JODNOは、オフショア開発に加え、ITエンジニア外国人や特定技能外国人の人材派遣・紹介を行っている企業です。200名以上のエンジニアに対応可能なリソースを持っているため、急なプロジェクトで人材を迅速に確保したい企業にも最適です。

    JODNOは、高度な技術力を持つエンジニアを提供し、企業のビジネス目標達成をサポートします。オフショア開発の分野でも豊富な実績を誇り、クライアントのニーズに合わせた柔軟なソリューションを提供しています。

    オススメのポイント

    • 質の高いエンジニアが200名以上在籍
    • 日本在住のPMがサポート
    • 完全日本語対応でコミュニケーションコストも一切なし
    会社名株式会社JODNO(ジョルノ)
    URLhttps://jodno.jp/
    TEL011-748-3517
    本社所在地札幌市東区北20条東9丁目4-13
    設立年2019年
    事業内容ITエンジニアの紹介
    オフショア事業の推進
    特定技能外国人の紹介

    7-3. Deerhold Japan株式会社

    Deerhold Japan株式会社は、カトマンズを拠点に20年以上にわたりオフショア開発を行ってきた実績を持つ企業です。

    ネパールにIT専門大学を開設し、優秀なエンジニアを安定的に確保できることが強みです。多様なクライアントに対して高度な技術を提供し、コスト効率の高い開発サービスを実現しています。特に、豊富な経験と人材ネットワークにより、信頼性の高いソリューションを提供し、顧客のビジネス成長をサポートしています。

    オススメのポイント

    • 高度なIT人材の確保
    • 低コストで高品質な開発
    • 幅広い技術対応力
    会社名Deerhold Japan株式会社
    URLhttps://japan.deerhold.com
    TEL03-6712-7677
    東京オフィス所在地東京都渋谷区広尾5丁目1番43号 広尾ZERO801号室
    設立年2018年
    事業内容カスタムソフトウェア開発
    クラウドコンピューティング
    データ分析
    AI (人口知能)
    UI/UXデザイン
    IoTサービス

    7-4. 株式会社readytowork

    株式会社readytoworkは、ネパールに海外拠点を持ち、生成AI、モバイルアプリ、システム開発を中心に事業を展開する企業です。

    自社サービスの開発経験を活かし、クライアント様と共に事業を創造することを重視し、創業以来、スタートアップから中小企業、大手企業、自治体まで、幅広い開発実績があります。プロダクトはユーザーが使いやすいように設計しており、企画から開発、保守運用まで対応しています。開発技術を厳選し限定することで、セキュリティ、プロダクトの品質向上に努めており、事業開発に関する課題を深く理解し、最適なご提案が可能です。

    オススメのポイント

    • 設計から開発、長期的に保守運用までサポートできる体制
    • セキュリティー強化したシステム開発
    • 最新の技術を使った開発
    会社名株式会社readytowork
    URLhttps://readytowork.jp/
    TEL080-8940-7169
    本社所在地〒152-0004 東京都目黒区鷹番1-1-5 4F
    設立年2019年
    事業内容生成AI開発、システム開発、モバイルアプリ開発、共創事業開発

    8. まとめ

    ネパールはコストを抑えて優秀なエンジニアを確保できる国ですが、発展途上国であるため、インフラや環境面で安定した開発を行う際に課題が残ることがあります。

    ネパールでオフショア開発を行う場合は、この記事で紹介したポイントを考慮してスケジュールを立てるようにしてください。

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