1. ベトナム人エンジニアのスキルと技術力
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力は以下の8つです。
- 幅広いプログラミング言語に対応
- WEBシステムなどサービス系の開発を得意とする
- AI開発などの案件に強い
- 英語と日本語に対応できる優れた語学力
- 開発スピードが早い
- 最新技術の習得が早い
- 開発基礎をしっかりと習得している
- オフショア開発の実績が豊富
それぞれについて詳しく解説します。
1-1. 幅広いプログラミング言語に対応
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の1つ目は、幅広いプログラミング言語に対応できることです。
ベトナムでは、JavaScriptやJava、PHP、Phythonなどの開発言語の人気が高く、ReactやVue.js、Next.js、Nuxt.jsなどのフレームワークにも精通しているエンジニアが多いです。ベトナム人エンジニアは多様なプログラミング言語とフレームワークに対応できる高い技術力を持っており、様々な開発プロジェクトにおいて即戦力として活躍することが期待できます。
1-2. WEBシステムなどサービス系の開発を得意とする
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の2つ目は、WEBシステムなどサービス系の開発を得意とすることです。
オフショア開発ではWEBシステムなどサービス系の開発を依頼する企業が多く、オフショア開発の委託先として選ばれることが多いベトナムでは、WEBシステムなどサービス系の開発を得意としている企業が多いです。そのため、WEBシステム開発のニーズを持つ企業にとって、ベトナム人エンジニアを採用することは非常に有益な選択肢となるでしょう。
1-3. AI開発などの案件に強い
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の3つ目は、AI開発などの案件に強いことです。
ベトナムの技術系大学や研究機関がAIやIoTの分野での教育・研究に力を入れているため、優れた基礎知識と実践経験を持つエンジニアが育成されています。また、国際的なプロジェクトでの経験も豊富なため、グローバルなチームでの協働が容易であり、先端技術を活用したプロジェクトでの成功に貢献しています。ベトナム人エンジニアのこうした能力は、AIやブロックチェーン、IoTの開発において非常に価値のあるものです。
1-4. 英語と日本語に対応できる優れた語学力
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の4つ目は、英語と日本語に対応できる優れた語学力です。
ベトナムでは、第一外国語として英語を習得している人が多いです。また、ベトナムは親日国としても有名で、日本のアニメやマンガも高い人気があり、日本語が理解できるエンジニアも他国に比べて多いです。ベトナム人エンジニアは多言語対応能力を持つことにより、国際的なプロジェクトでのコミュニケーションが円滑に進められます。英語と日本語の両方に堪能であるため、海外のクライアントやチームメンバーとの連携が容易になり、プロジェクトの効率化と成功に大きく貢献します。
1-5. 開発スピードが早い
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の5つ目は、開発スピードが早いことです。
ベトナムのエンジニアは効率的に作業を進める能力があり、開発スピードが速いと評価されています。また、アジャイル開発を採用したオフショア開発が積極的に行われており、一つひとつの工程をしっかりと完了させながら行うウォーターフォール開発より、早いスピードで開発を進められます。
アジャイル開発については下記の記事で詳しく解説しています。
1-6. 最新技術の習得が早い
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の6つ目は、最新技術の習得が早いことです。
ベトナムでは、自らのキャリアアップや収入向上のために、会社から指示される前に、新しい知識や技術を身につけようとするエンジニアが多いです。特に、オンライン学習プラットフォームやeラーニングの普及が進んでいるため、自発的に学ぶ機会が増えています。多くのエンジニアが技術勉強会やハッカソン、ワークショップにも積極的に参加しています。
1-7. 開発基礎をしっかりと習得している
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の7つ目は、開発基礎をしっかりと習得していることです。
日本の新卒採用ではプログラミング未経験者からの応募も多く、即戦力となるような人材にはなかなか巡り合えません。働き方が多様化したことで、スキルのあるエンジニアは副業やフリーランスとして働くケースも多くなっています。
一方、ベトナムでは多くの大学や短期大学でITの学部・学科が開設されており、政府主導でSTEM教育を推進しているため、多くのエンジニアが基礎的な技術をしっかりと学んでいます。
1-8. オフショア開発の実績が豊富
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力の8つ目は、オフショア開発の実績が豊富なことです。
オフショア開発と言えばベトナムといわれるほど、ベトナムはオフショア開発の人気国として、多くの企業から選ばれています。
オフショア開発の国別ランキングは以下の通りです。
順位 | 開発国 | 割合 |
---|---|---|
1位 | ベトナム | 48% |
2位 | フィリピン | 19% |
3位 | インド | 12% |
4位 | 中国 | 7% |
5位 | バングラデシュ | 5% |
6位 | カンボジア | 2% |
7位 | インドネシア ミャンマー 韓国 | 2% |
上記のようにベトナムはオフショア開発国として他の国よりも圧倒的に高い割合を占めています。さまざまな企業のオフショア開発を支援してきた経験があるため、初めてオフショア開発を行う場合でも安心して開発を任せられるでしょう。
2. ベトナム人エンジニアの主な特徴
平均年齢や平均給与、性格・国民性など、ベトナム人エンジニアの主な特徴を解説します。
2-1. 平均年齢
ベトナム人エンジニアの平均年齢は、30歳前後です。
2023年におけるベトナム人エンジニアの年代別の割合は以下のようになっています。
年代 | 割合 |
---|---|
15-19歳 | 8.2% |
20-24歳 | 29.8% |
25-29歳 | 26.2% |
30-34歳 | 15.3% |
35-39歳 | 10.1% |
40-44歳 | 5.5% |
45-49歳 | 2.8% |
50歳以上 | 2.1% |
20-24歳のエンジニアが29.8%と最も多く、次いで25-29歳が26.2%、30-34歳が15.3%となっています。平均年齢が40歳前後の日本人エンジニアと比べると、ベトナム人エンジニアの方が10歳ほど若いです。
2-2. 平均給与
2024年6月時点でのベトナムのエンジニアの平均給与は約13万円です。2021年では約11万円だったので、大幅に増加していることが分かります。
参考資料:ベトナムのITエンジニアの給料・単価相場と、円安の影響について【2024年最新版】
日本人エンジニアの平均給与は約39万円のため、ベトナムと日本では平均給与に約3倍程度の差があります。
参考資料:ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
2-3. 性格・国民性
ベトナム人の性格は、勤勉で真面目だとよくいわれます。
また、親日国としても知られているベトナムでは、日本のマンガやアニメの人気が非常に高いため、日本文化に対する理解が深く、日本企業との協力がスムーズに進められることが期待できます。
一方、日本人とは異なり、自分の意見をはっきりと主張する人も多いため、仕事においても「できる」・「できない」を明確に伝えてきます。そういった特性を理解することで、職場でのコミュニケーションも円滑にすることができるでしょう
3. ベトナム人エンジニアを採用するメリット
ベトナム人エンジニアを採用するメリットは以下の5つです。
- 若手で優秀な人材の確保につながる
- 他国と比べてエンジニア単価が比較的安い
- 日本企業との開発実績が豊富
- 企業の即戦力となる
- 意欲的な人材が多く最新技術を取り入れやすい
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
3-1. 若手で優秀な人材の確保につながる
ベトナム人エンジニアを採用するメリットの1つ目は、若手で優秀な人材の確保につながることです。
日本では優秀なエンジニアほど年齢が高くなる傾向があり、年齢に伴って人件費も高くなるため、経験豊富なエンジニアを採用しようとするとコストがかかることが一般的です。
一方、ベトナムは政府主導でIT教育の振興に力を入れており、大学在学中から積極的にインターンシップを経験させたり、徹底的に実践的な教育を施すため、毎年優秀な若手人材がたくさん供給されています。日本よりも優秀なIT人材を確保しやすいといえるでしょう。
3-2. 他国と比べてエンジニア単価が比較的安い
ベトナム人エンジニアを採用するメリットの2つ目は、他国と比べてエンジニア単価が比較的安いことです。
国名 | プログラマー | シニア エンジニア | ブリッジSE | PM |
---|---|---|---|---|
ベトナム | 31.73 | 39.88 | 51.34 | 57.94 |
中国 | 42.09 | 52.06 | 84.78 | 85.77 |
フィリピン | 36.25 | 49.63 | 71.07 | 65.83 |
インド | 34.72 | 51.56 | 67.97 | 83.90 |
参考資料:『オフショア開発白書(2022年版)』
ベトナムにおけるプログラマーやシニアエンジニア、ブリッジSE、PMの人月単価は、中国やフィリピン、インドよりも低くなっています。他の国のエンジニアを採用するよりベトナム人エンジニアを採用したほうが、採用コストを抑えられるでしょう。
3-3. 日本企業との開発実績が豊富
ベトナム人エンジニアを採用するメリットの3つ目は、日本企業との開発実績が豊富なことです。
ベトナムへは1,990社の日系企業が進出しており、2022年には406件、47億9,258万ドルの投資が行われています。
参考資料:概況・基本統計 | ベトナム – アジア – 国・地域別に見る「日本貿易振興機構」
ベトナムは長年にわたりオフショア開発国としての人気が非常に高く、日本企業との開発実績が豊富なため、ベトナム人エンジニアを採用すれば自社のプロジェクトへのスムーズな参加が期待できます。
3-4. 企業の即戦力となる
ベトナム人エンジニアを採用するメリットの4つ目は、企業の即戦力となることです。
ベトナムの大学では実践的な授業を実施しており、在学中のIT企業へのインターンシップを積極的に推奨しているため、新卒でも技術をしっかりと身につけており、即戦力としてのポテンシャルが高いです。
日本では理系・文系のバックグラウンドにかかわらず、幅広い人材をエンジニアとして採用し、入社後に実践的な教育を行うのが一般的です。専門知識をしっかりと身に着けたベトナム人の新卒エンジニアを採用したほうが、企業の即戦力としての期待値が高いといえるでしょう。
3-5. 意欲的な人材が多く最新技術を取り入れやすい
ベトナム人エンジニアを採用するメリットの5つ目は、意欲的な人材が多く最新技術を取り入れやすいことです。
日本ではエンジニア不足が深刻なため、新卒の学生だけでなく、プログラミング未経験の人材もエンジニアとして採用している状況があります。日本企業が新入社員に対してエンジニア教育を行い、最新技術の習得をサポートするため、新入社員が自身で最新技術を学ぶのではなく、企業が提供するトレーニングプログラムを通じて技術を習得する環境があります。
一方、ベトナムでは多くの若者がエンジニアを目指しており、より良い待遇や給料を得るための競争が常に行われています。キャリアアップを目的として積極的にエンジニアに関連した資格を取得する傾向にあるため、最新技術の習得にも意欲的なエンジニアが多いです。
ベトナム人エンジニアを採用することで、意欲的でスキルの高い人材を確保でき、自社の技術開発に大いに貢献することが期待できます。
4. ベトナム人エンジニアの採用は、オフショア開発を活用する選択肢も
上記のようにベトナム人エンジニアを採用することでさまざまなメリットが得られる一方で、以下のようなデメリットや課題もあります。
- 入社手続きに手間がかかる
- 受け入れ体制を構築する必要がある
- 働き方・キャリアアップに関する考え方の違いを理解する必要がある
ベトナムからエンジニアを採用する場合、従来の入社手続きに加え、以下の手続きも必要です。
- 就労ビザ・在留資格の確認
- 外国人雇用状況届出の提出
- 雇用労務責任者の選任(海外のエンジニアを10人以上採用する場合)
また、住宅の確保やライフラインの契約など、生活面についてのサポートも必要になるでしょう。
ベトナム人エンジニアの採用では以下のような方法が採用されることがありますが、それぞれ課題があります。
- 外国人向けの求人サイトに登録する
- 人材紹介サービスを利用する
- リファラル採用
外国人向け求人媒体を利用すれば、日本で働くことを目指すベトナム人エンジニアにアプローチできることが期待できます。しかし、自社の仕事内容や条件次第で、思うような人材に出会えないことも多々あるでしょう。
人材紹介サービスを利用すれば自社にマッチしたベトナム人エンジニアを紹介してもらえますが、すぐに採用できるとは限りません。すでにベトナム人を雇用している場合はリファラル採用も効果的ですが、紹介してもらったベトナム人エンジニアが自社にマッチするかどうかは分かりません。
上記のように、ベトナム人エンジニアの採用ではメリットだけでなくデメリットも意識しておく必要があります。
一方、自社でベトナム人エンジニアを直接雇用しなくても、オフショア開発を利用することもできます。オフショア開発とは、国外に開発拠点を設立し、海外のエンジニアに開発させる方法です。新興国のエンジニアは日本人より人件費が安いため、開発コストを抑えたいと考える企業には最適です。
オフショア開発を委託する場合の契約形態には、請負契約と準委任契約の2種類があります。
オフショア開発における請負契約とは、発注側が提供した詳細な要件に基づいて、受注側が納期までに成果物を納品する契約です。開発は海外のエンジニアが行うため、日本国内で開発する場合より開発コストを削減できます。契約時と納品時の2回に分けて費用を支払うため、開発の初期段階でまとまった費用が必要になります。納期までに確実に成果物が納品されますが、基本的に開発途中での仕様の変更や追加はできません。
オフショア開発における準委任契約とは、受注業者から開発チームを一定期間だけ提供してもらえる契約です。自社エンジニアと共同して開発を進めることも、開発全体を任せることもできます。月額制・定額制が採用されることが多いですが、開発期間が長引いてしまうと、トータルの開発コストが増加する恐れがあります。
オフショア開発については、下記の記事で詳しく解説しています。
5. まとめ
今回は、ベトナム人エンジニアの特徴について解説しました。
ベトナム人エンジニアのスキル・技術力、ベトナム人エンジニアを採用するメリットは以下の通りです。
スキル・技術力 | 幅広いプログラミング言語に対応 WEBシステムなどサービス系の開発を得意とする AI開発などの案件に強い 英語と日本語に対応できる優れた語学力 開発スピードが早い 最新技術の習得が早い 開発基礎をしっかりと習得している オフショア開発の実績が豊富 |
採用するメリット | 若手で優秀な人材の確保につながる 他国と比べてエンジニア単価が比較的安い 日本企業との開発実績が豊富 企業の即戦力となる 意欲的な人材が多く最新技術を取り入れやすい |
一方、自社でベトナム人エンジニアを直接採用しなくても、オフショア開発サービスを利用すれば、比較的安価でベトナム人エンジニアを開発プロジェクトに活用できます。ベトナム人エンジニアの採用を検討している方は、オフショア開発サービスの利用もご検討ください。
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