オフショア開発会社の選び方を解説!

オフショア開発会社の選び方を解説!

オフショア開発とは、システム開発などを海外の子会社や開発会社に委託する方法です。日本国内はITエンジニアが不足しているため、海外の委託先でコストを抑えて人材を確保できることもメリットと言えるでしょう。オフショア開発を成功させる為には、運営会社の種類や得意分野、委託する国の特徴などについて調べておくことが重要です。

 

【目次】
1. オフショア開発企業の選び方・チェックポイント
1-1. 運営会社の種類で選ぶ
1-2. 得意分野の見極めをする
1-3. システム開発実績で選ぶ
1-4. 契約形態で選ぶ
1-5. エンジニアの数と質で選ぶ
1-6. コミュニケーション力・日本語能力で選ぶ
1-7. セキュリティ対策・保障制度をチェックする
1-8. 窓口のレスポンスの質をチェックする
1-9. オフショア開発企業の比較と検討をする
1-10. 国別特徴で選ぶ
2. オフショア開発の国別特徴
3. オフショア開発企業のおすすめ10選
3-1. オルグロー株式会社
3-2. 株式会社LIG
3-3. スマラボ
3-4. 株式会社キャピタルナレッジ
3-5. 株式会社ブライセン
3-6. 株式会社BJIT
3-7. 株式会社 モンスターラボホールディングス
3-8. フィデル・テクノロジーズ株式会社
3-9. 株式会社AutoMagic
3-10. BLUEWIND ASIA CORPORATION
4. まとめ

 

1. オフショア開発企業の選び方・チェックポイント

オフショア開発の導入にあたって、さまざまな企業が開発・運用をサポートしています。サービスの内容も多岐にわたるため、よく確認したうえで適した運営会社を選びましょ

 

1-1. 運営会社の種類で選ぶ

【現地法人運営】

依頼先の国の人が、現地でオフショア開発会社を立ち上げて日本企業向けに運営するケースもあります。日本へ留学した経験や就業経験のある人が設立することが多く、日本の文化はある程度分かっているものの、日本語を話せない現地人がサポートを担当する場合は一般的に人件費単価は安くなります。

 

ただし、日本語が通じない場合はコミュニケーションの取り方が課題となります。

 

【日系企業が運営】

日系企業が外国に子会社を設立してオフショア開発会社を運営する場合、主に日本人がサポートを行います。日本の文化や仕事の進め方を基本としているため、現地法人に比べてギャップを感じることが少なくて済みます。

 

しかし、日本法人の社員が関わる機会が多くなるため人件費単価は高くなりがちです。

 

【外資系企業が運営】

欧米諸国などによる外資系企業が運営するオフショア開発会社は、一般的に英語でコミュニケーションを取ります。そのため主に日本語でコミュニケーションを取る日本企業は、サポートを受けるうえで文化差を感じるかもしれません。

 

一方で技術面や品質クオリティーの高さがあり、それを活かすことができれば海外に目を向けてグローバルに展開するチャンスとなる可能性もあります。

 

1-2. 得意分野の見極めをする

オフショア開発企業によって、それぞれ得意とする分野があります。パソコン上のWebシステムを開発するフロントエンド開発や、アプリケーション開発などIT系のシステム開発というイメージが強いオフショア開発ですが、今やAI、ブロックチェーン、IoTなど最先端の技術まで対応できる企業が増えています。

 

オフショア開発を導入する際は、依頼先の企業が自社の目指す開発とマッチしているか精査したうえで選びましょう。

 

1-3. システム開発実績で選ぶ

オフショア開発先の候補となる会社をある程度絞ったら、開発実績を確認することが重要です。これまでの実績内容を提供してもらうなどして可能な限り調べましょう。開発規模や期間、どの程度の人数で制作したのかを確認することで、エンジニアのスキルなどを把握する目安となります。

 

1-4. 契約形態で選ぶ

オフショア開発の契約形態は大きく分けて、ラボ型契約(準委任契約)と受託型契約(請負契約)の2つがあります。

 

■ ラボ型開発

自社専属のエンジニアチームによりシステム開発する方法がラボ型開発になります。ITに強い人材を揃えることによって、スピード感があり、かつ柔軟な開発を進めることが可能です。

 

雇用形態では準委託契約のカテゴリーに含まれます。準委任契約は労働時間と期間に応じて報酬を支払う契約形態なので、プロジェクトの終了に関わらず期間内は人材を確保し続けることが可能です。逆に案件がなくとも期間内は人件費が発生するデメリットがあります。

 

システム業界では準委託契約をラボ契約と呼ぶため、オフショア開発でラボ型開発を行う際の雇用形態はラボ契約になります。そのためラボ型開発は、仕様変更があっても柔軟に対応できることがメリットと言えます。

 

■ 請負開発

請負型開発の雇用形態は請負契約となります。仕事の成果に対して報酬を支払うため、委託先が責任をもって開発を行います。要件と責任の所在が明確なため、納品した成果物に問題があれば修正依頼することが可能です。

 

ただし、契約した仕様が変更となった場合は追加費用が発生することや、委託元企業は要件のすり合わせが済むと開発に関わる機会が少なくなるため、開発のノウハウが蓄積されにくい点はデメリットになります。

 

1-5. エンジニアの数と質で選ぶ

オフショア開発の魅力は、優秀なIT人材をコストを抑えて確保できることにあります。しかし、依頼先として人気がある東南アジア諸国でも、これからは日本のような人材不足が起こるかもしれません。

 

オフショア開発会社を選ぶ際には、十分な人材を確保できるかホームページなどで所属エンジニアの人数を確認しましょう。エンジニアの質については、技術レベルが分かるような資格などが明記されているか確認する必要があります。

 

1-6. コミュニケーション力・日本語能力で選ぶ

オフショア開発会社にシステム開発を委託する際には、依頼した案件ごとにプロジェクトチームを結成して進めることになります。依頼元の日本企業にとって、チームとの打ち合わせや進捗管理を行う際、いかにしてコミュニケーションを取るかが重要です。

 

IT関連では専門用語に英語が多いため、海外のエンジニアとコミュニケーションを取るにはある程度の英語を話せた方が良いのですが、日本語を話せる人材が増えている国もあるので、コミュニケーションの齟齬によるトラブルを回避するためにも日本語能力について確認しておきましょう。

 

1-7. セキュリティ対策・保障制度をチェックする

委託先の国や、オフショア開発会社が日本と同じレベルでインターネット上のセキュリティを意識しているとは限りません。パソコンのウイルス対策やハッカー対策が不十分なため、情報漏洩が起きて重大なトラブルに繋がることも考えられます。

 

依頼先として検討している、オフショア開発会社のセキュリティ状況やそれに関する規約などを確認する必要があります。また、万一の事態が発生したときの保障制度についても確認しておきましょう。

 

1-8. 窓口のレスポンスの質をチェックする

オフショア開発の導入を検討する段階で、運営会社にサポート内容や見積もりについて問い合わせを行うことになります。現地法人や日系企業、外資系企業など運営会社によって窓口で対応する担当が現地人のときや日本人の場合などさまざまですが、いずれにしろその際のレスポンスをチェックしておきましょう。

 

こちらからの問い合わせに対して、「返答が迅速で的確か」「真摯に対応していたか」などがポイントになります。窓口担当のレスポンスの質は、その内容を専門部署の社員に伝える際につながるため、やがては依頼したときにも品質に影響するかもしれません。

 

1-9. オフショア開発企業の比較と検討をする

オフショア開発会社の選び方について、さまざまな角度から説明しました。ここまでをまとめると、やはり自社が計画しているシステム開発を得意分野として、信頼できる実績を持っていることが大きなポイントと言えます。

 

また、雇用形態の違いによるラボ型開発と請負開発について比較検討することも重要です。

 

1-10. 国別特徴で選ぶ

日本でオフショア開発を導入し始めた頃は、中国が依頼先として最も人気がありました。しかし、現在では東南アジア諸国の台頭によって、中国以外の国も依頼先として注目を集めています。

 

「低コストで優秀な人材を確保できるか」「日本語でのコミュニケーションが取りやすいか」などの視点で、国別の特徴を見ておくことも必要です。

 

2. オフショア開発の国別特徴

日本企業から見たオフショア開発依頼先として、時差はチェックしておきたいところです。日本とオンラインで打ち合わせを行う際などに、先方の国は深夜、あるいはこちらが深夜では都合が悪いからです。

 

▼ ここでは主なオフショア開発依頼先である5ヶ国について時差や公用語、人件費を比較してみました。

 

時差 公用語 人月単価相場
ベトナム 2時間 ベトナム語 約20万円~35万円
中国 1時間 中国語 約35万円~55万円
インド 3.5時間 ヒンディー語・英語(準公用語) 約30万円~60万円
フィリピン 1時間 フィリピン語・英語 約25万円~35万円
ミャンマー 2.5時間 ミャンマー語 約10万円~20万円
バングラデシュ 3時間 ベンガル語 約15万円~25万円

 

3. オフショア開発企業のおすすめ10選

数ある企業のなかから、自社にぴったりなオフショア開発会社を選ぶのはなかなか大変です。そこで、これまでの実績を踏まえておすすめできる10社を厳選してご紹介します。

 

3-1. オルグロー株式会社

オルグロー株式会社は、従来の受託型オフショア開発が抱えた課題を解決できる新しい形の「ラボ型オフショア開発」を推進しています。受託型の場合は発注側が要件定義書を作成して、擦り合わせや見積もりに時間がかかってしまい、タイムロスが生まれていました。

 

ラボ型オフショア開発ならば自社の専属チームに直接依頼するため、受託型のようなプロセスが不要となり、急な仕様変更があっても迅速に対応できます。

 

得意分野 システム開発、エンジニア率はフロントエンド(HTML、CSS、JavaScript)76%、アプリ開発9%、バックエンド15%
特徴 1人からアサインでき、スピードが速い。
最短1日でプロジェクトの開始が可能。
オフショア開発国 ベトナム
本社 東京都渋谷区

 

 

3-2. 株式会社LIG

株式会社LIGは、Webサイト制作から事業をスタートしただけに優秀なデザイナーたちが在籍しています。オフショア開発ではデザイナーと海外のエンジニア人材がタッグを組んで活躍しています。

 

さまざまな雇用形態によるラボ型開発、受託開発、アジャイル開発などを取り入れており、柔軟な対応が可能です。現在は、LIGの変革期と位置づけてDXのリーディングカンパニーを目指しています。

 

得意分野 サービス開発、アプリ開発、パッケージ導入(CRM・CMS・SFA)、システムの運用代行など。
特徴 大手から中小企業まで、様々な業種のDXを支援。
オフショア開発国 フィリピン、ベトナム
本社 東京都台東区

 

 

3-3. スマラボ

スマラボは、ベトナムでのオフショア開発を手がけています。雇用形態はラボ型契約でラボ型開発に特化したサービスを提供しています。窓口から契約対応まで日本人がサポートを行い、プロジェクト管理は日本人か日本語が堪能なBSE(ブリッジシステムエンジニア)が常駐するためコミュニケーションを取りやすくストレスを感じません。

 

得意分野 業務システム、Webサービス開発、スマホアプリ開発、システム運用・保守業務など。
特徴 日本での開発と同等の品質基準でオフショア開発サービスを提供しており、日本の法律に基づく契約に日本円での支払いが可能。
オフショア開発国 ベトナム
本社 株式会社アイディーエス 東京都港区

 

 

3-4. 株式会社キャピタルナレッジ

株式会社キャピタルナレッジは、ミャンマー、モンゴルに開発拠点があり、スモールオフィスの運用をサポートすることが可能です。またBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)も手がけており、サイト運営の悩みからコーディング、データ入力・伝票起票、電子書籍化、住宅CAD設計などにも対応しています。

 

得意分野 WEBアプリ、スマホアプリ、業務システム、AI開発など。
特徴 日本語が堪能で優秀なミャンマー人、モンゴル人スタッフが多数在籍している。
オフショア開発国 ミャンマー、モンゴル
本社 大阪市北区天満

 

 

3-5. 株式会社ブライセン

株式会社ブライセンは、ベトナムでの支援活動をきっかけにオフショア開発に取り組み、現地法人を設立しました。

 

現在は、日本・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・韓国の5ヶ国を拠点にオフショアネットワークを構築して、ボーダーレスな活動を展開。コミュニケーションを取りながら世界中に日本の品質を広げています。

 

得意分野 業務アプリケーション開発、エンベデッド系ソフトウェア開発、システム保守運用、サーバ監視など。
特徴 開発コストを大幅に削減。システム統合から約1年間、トラブル「ゼロ」の実績。
オフショア開発国 ベトナム
本社 東京都中央区

 

 

3-6. 株式会社BJIT

株式会社BJITは、バングラデシュを拠点にオフショア開発事業を展開しており、グローバル企業からの依頼でアプリケーションの開発実績を積んできました。バングラデシュでは現地でのエンジニア育成や日本語教育を行い、ほかにも宮崎市と共同で日本人の開発者を育てるプロジェクトを発足しています。

 

得意分野 エンドユーザー向けスマートフォンアプリ開発、コンシューマ向けネイティブアプリケーション(ios/Android)、アプリテストの自動化など。
特徴 バングラデシュの首都ダッカにエンジニア養成所を設立して国際的な競争力のあるIT技術者を育成している。
オフショア開発国 バングラデシュ
本社 東京都港区

 

 

3-7. 株式会社モンスターラボホールディングス

株式会社モンスターラボホールディングスにおけるオフショア開発は、子会社となるMonstarlab Viet Nam CO., LTD (モンスターラボ ベトナム)が、ベトナム人エンジニアを育成してIT産業の発展に貢献しています。

 

得意分野 システム・アプリケーション開発
特徴 本社は音楽配信サービスからスタートしており、インターネットの力で良質な音楽やアーティストに光を当てたいと思いがある。
オフショア開発国 ベトナム
本社 東京都渋谷区

 

■ ベトナムHP:https://monstar-lab.com/vn/ja/home-2/

 

 

3-8. フィデル・テクノロジーズ株式会社

フィデル・テクノロジーズ株式会社は、東京に本社を構え、インドに支社があります。IT・ローカライゼーション・人材コンサルティングを柱に事業を展開しており、特に製品やサービスを該当国や地域で受け入れられるよう最適化するローカライズにおいては、インドのみならず世界80言語以上に対応しています。

 

得意分野 ソフトウェア・アプリケーション開発、保守及び運用サポートなど。
特徴 日本とインド合わせて200名以上のスタッフによるサポート体制。
オフショア開発国 インド
本社 東京都千代田区

 

 

3-9. 株式会社AutoMagic

株式会社AutoMagicは、「日本とインドを結び、開発から事業展開まで一気通貫でできる」をコンセプトとしています。オフショア開発事業では優秀なインドのエンジニアによりシステム開発を提供することが可能です。さらにインドでの輸出入ビジネスや物販支援、販売基盤づくり支援も手がけています。

 

得意分野 システム・アプリケーション開発、AI・IoTなど先端技術。
特徴 インドの優秀なエンジニアが約100名所属。
他にも約300名が登録している。
オフショア開発国 インド
本社 東京都中央区

 

 

3-10. BLUEWIND ASIA CORPORATION

BLUEWIND ASIA CORPORATIONは、フィリピンのセブを拠点にオフショア開発事業を展開しています。セブ島と言えば日本ではリゾート地として知られますが、欧米やオーストラリアではBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の拠点として有名なIT都市です。

 

グループ会社の株式会社JGコーポレーションは本社を東京都中央区に構えています。

 

得意分野 基幹システム及び周辺システム開発、モバイルシステム開発、WEBサイト構築など。
特徴 一般的にオフショア開発では対応が難しいとされる、基幹システムの改修に対応。
オフショア開発国 フィリピン
本社 フィリピン・セブ州セブ市

 

 

4. まとめ

ベトナムをはじめ、フィリピンやインドなどでオフショア開発を展開している企業が多いことがうかがわれます。ベトナムは親日国で日本語教育も積極的に行われており、優秀なIT人材が育っているため注目を集めています。

 

オルグローラボ」では、ベトナムのオフショア開発事業をサポートしています。オルグローラボを利用すれば、業務スタートまでのプロセスを省略でき、納品後の保守運用までサポートしています。特にベトナムは上述したとおり、低価格で高品質な業務を依頼でき、国民性も良いのでおすすめです。