オフショア開発における準委任契約の特徴は?向いている案件も紹介

オフショア開発における準委任契約の特徴は?向いている案件も紹介

オフショア開発をおこなう際は、開発の規模や目的に合わせて請負契約か準委任契約かを選びます。請負契約は成果物に対して報酬を支払う方法、準委任契約は業務に対して報酬を支払う方法です。この記事ではオフショア開発における準委任契約の特徴についてご紹介します。準委任契約に適した案件についても解説するのでぜひ参考にしてください。

 

【目次】
1. オフショア開発における準委任契約とは?
2. オフショア開発における請負契約との違いを解説
3. オフショア開発における準委任契約のメリット・特徴
4. オフショア開発における準委任契約のデメリット・問題点
5. オフショア開発で準委任契約が向いている開発案件は?
5-1. 大規模開発でありながら細かな要求がある案件
5-2. 中長期にわたる開発案件
5-3. 365日の稼働が必要で自社での賄いが難しい案件
6. オフショア開発で準委任契約を活用する場合はラボ契約も選択肢に入れよう
7. まとめ

 

1. オフショア開発における準委任契約とは?

オフショア開発における準委任契約とは、決められた期間における役務の提供に対して報酬を支払う開発形態です。受注者側が開発に必要な労働力や技術提供をおこない、発注者側は技術や労働力の提供を受けている期間に対して報酬を支払います。

 

必ずしも成果物を完成させる必要はない点が準委任契約の特徴で、その分発注者側の都合による開発方針の変更などに対して柔軟に対応できるメリットがあります。

 

2. オフショア開発における請負契約との違いを解説

オフショア開発で業務を進める際は、請負契約か準委任契約を選ぶ必要があります。請負契約とは、成果物を完成させることが目的の形態で、納品後に検収をおこない問題がなければ報酬を支払います。納品した成果物に欠陥などがあれば、受注者側が責任を負うのが請負契約です。

 

違いは完成した成果物を納品するかどうか、納品後の成果物に責任を負うかどうかで分けられます。準委任契約は必ずしも完成した成果物を納品するとは限らず、受注者側は納品後の成果物に責任を負いません。

 

3. オフショア開発における準委任契約のメリット・特徴

準委任契約のメリットは、現場の開発エンジニアとコミュニケーションが取りやすい点です。準委任契約では、開発の委託先にエンジニアチームを組織してもらい、契約期間中は自社の専属エンジニアチームとして業務に取り組んでもらいます。ラボ型オフショア開発とも呼ばれ、小中規模のオフショア開発で多く採用されている形態です。

 

準委任契約では成果物ではなく労働時間に対して支払いをおこなうため、開発の途中でも仕様変更や方針転換に柔軟に対応でき、明確なゴールを定めなくても開発を進められます。また、専属のチームを組織するため、開発エンジニアと積極的にコミュニケーションを取ることができ、進捗管理の透明性も期待できます。

 

4. オフショア開発における準委任契約のデメリット・問題点

柔軟な開発を進められる準委任契約ですが、成果物が完成しなくても開発者側に責任がない点はデメリットです。準委任契約で開発を進め成果物が納品されたのち、欠陥が見つかったとしても、改修などは発注者側の責任でおこなう必要があります。

 

オフショア開発では意思疎通の行き違いから改修対応でのトラブルが起きやすい傾向にあるため、委託先がプロジェクトを予定通り遂行できるよう、契約前に技術力の有無を十分に見極めることが大切です。

 

5. オフショア開発で準委任契約が向いている開発案件は?

請負契約と準委任契約は特徴に違いがあるため、開発案件に応じて使い分けをおこないます。

 

5-1. 大規模開発でありながら細かな要求がある案件

準委任契約は、細かい指示を出す必要がある、頻繁に業務内容が変更になりそうな案件に向いています。請負契約では契約前に要件定義をおこない目標が固まってから契約を結びますが、準委任契約は契約期間中であれば専任の労働リソースを自由に使えるため、目標をはじめから固める必要はありません。

 

大規模でも細かな仕様変更の発生が見込まれる開発案件、企画内容が完全には固まっておらず開発中にも柔軟な対応が求められるプロジェクトに向いているのが準委任契約です。

 

5-2. 中長期にわたる開発案件

成果物の納品後のメンテナンスを含むなど、長期間の開発案件の場合、業務内容に変更が発生する可能性があります。そのため開発が中長期にわたる場合、柔軟に対応できる準委任契約で開発を進めるのが得策です。

 

準委任契約は、期間中は同じ技術力のエンジニアを確保できるため、安定した品質を保ちながら開発を進められ、仕事のフローに慣れて時間が経つほど仕事がしやすくなるメリットがあります。

 

また、請負契約では計画された成果物を期間内に完成させることが最優先になるため エンジニアの質は問われませんが、準委任契約であれば、計画に適した優秀な人材を契約期間のあいだ確保し続けるが可能になります。

 

5-3. 365日の稼働が必要で自社での賄いが難しい案件

システム運用や保守は365日の稼働が必要なため、自社だけで専門のエンジニアチームを確保するのが困難なケースが多々あります。また、運用や保守には突発的なトラブルがつきものであるため、業務内容が変更しても柔軟に対応できる準委任契約での開発がおすすめです。

 

準委任契約は成果物の完成ではなく期間内の労働力提供を目的としているため、運用や保守など長期的な案件に適しています。細かな変更にも随時対応できるため、柔軟な業務を可能にします。

 

6. オフショア開発で準委任契約を活用する場合はラボ契約も選択肢に入れよう

準委任契約の中でも、システム開発における契約はラボ契約と呼ばれます。準委任契約は民法に定められた契約形態で、通常の委任契約は弁護士などに法律行為を委託する際に利用されます。

 

ただし、法律行為にあたらない委任契約の場合は、委任契約に準じた契約になるため、準委任契約になります。準委任契約には介護や医療なども含まれており、システム開発における準委任契約の場合はラボ契約と呼ぶのが一般的です。オフショア開発の選択肢の一つとしてラボ契約をぜひご検討ください。

 

7. まとめ

オフショア開発では、成果物の納品を優先するのか、技術力や労働力の確保を優先するのかで契約形態を使い分ける必要があります。細かな指示が必要になる案件、開発が長期化する案件、自社だけで人材確保をするのが困難な案件については、準委任契約が適しています。

 

もちろん契約形態だけでは品質確保には繋がらないため、契約を結ぶ前に開発側の技術力が十分であるかを確認することが大切です。

 

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