スリランカのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

スリランカのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

日本からのオフショア開発先というと、ベトナムやフィリピンが有名です。一方、インドやヨーロッパはスリランカでオフショア開発を行うことをご存知でしょうか。スリランカは第二のインドになる可能性を秘めている国です。この記事では、スリランカのオフショア開発の特徴・メリットを解説します。スリランカでオフショア開発する場合のオススメ企業も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

 

【目次】
1. オフショア開発とは
2. スリランカのオフショア開発の基本情報
2-1. 国民性
2-2. 公用語
2-3. 経済状況
2-4. 日本との時差
2-5. エンジニアの技術力
2-6. エンジニアの平均年収
3. スリランカのオフショア開発の特徴・注目理由とは?
4. スリランカのオフショア開発のメリット
4-1. 他東南アジア諸国に比べコストが低い
4-2. 理系の能力に優れた人材が多い
5. スリランカのオフショア開発のデメリット
5-1. オフショア開発企業が比較的少ない
5-2. 人件費が徐々に上がっている
6. スリランカのオフショア開発会社のおすすめ2選
6-1. 株式会社メタテクノ
6-2. 株式会社Hinode Labo
7. まとめ

 

1. オフショア開発とは

オフショア開発とは、人件費の安い海外へエンジニア業務を委託することを指します。(オフショア=Offshore・海外)

 

日本からは東南アジア諸国へ委託することが多く、人月単価を抑えて若い優秀なエンジニアを確保できることが特徴です。

 

以前はインドや中国でのオフショア開発も盛んに行われていました。しかし、両国の経済発展に伴い人月単価が上がっていることから、最近ではベトナムやフィリピンでの開発が多いです。

 

さて、そんなインドからのオフショア開発先として有名なのが、スリランカです。

 

2. スリランカのオフショア開発の基本情報

▼ スリランカのオフショア開発の基本情報は次の表のとおりです。

国民性 上下関係を重んじる
公用語 シンハラ語・タミル語
経済状況 徐々に悪化している
日本との時差 3時間30分
エンジニアの技術力 南アジア圏ではインドに次いで高い
エンジニアの平均年収 50万~150万円

 

それぞれの概要を紹介します。

 

2-1. 国民性

スリランカは上下関係を重んじる国民性であると言われています。また、封建的な慣習が残っているため、男尊女卑の傾向があることも否めません。

 

一方、歴史的な背景からスリランカは親日国であり、日本人と働きやすいと言われています。日本と同様に島国であることからコミュニティを重視する傾向もあり、チームでのプロジェクトに向いていることも特徴です。

 

2-2. 公用語

スリランカの公用語はシンハラ語とタミル語です。シンハラ語はスリランカ南部、タミル語はスリランカ北部で話されることが多いと言われています。

 

ただし、イギリスの植民地であった歴史が長いため、英語が話せる人も多いことが特徴です。とくにスリランカの上位大学では英語で授業が行われるため、英語に堪能な優秀なエンジニアも多いと言われています。

 

2-3. 経済状況

スリランカ経済は2019年の爆破テロ事件とゴタバヤ大統領による政策転換、2020年からの新型コロナウイルスの影響を受け、徐々に悪化しています。外貨不足も発生し、燃料や医薬品の輸入が滞っていることも特徴です。

 

なお、南アジアの国では1人あたりの名目GDPが域内で2位でしたが、2022年7月5日には国家としての破産を宣言しています。

 

一方、IT産業は隣国インドと共に発展しており、今後の成長が期待できることも特徴です。また、教育にも力を入れ始めており、プログラミング教育が無償化されるなどエンジニアが育つ土壌が整いつつあります。

 

2-4. 日本との時差

スリランカと日本との時差は3時間30分です。日本のほうが3時間半進んでいます。なお、隣国インドとの時差はありません。そのため、インドからのオフショア開発は多いです。

 

2-5. エンジニアの技術力

スリランカのエンジニアの技術力は、南アジア圏ではインドに次いで高いと言われています。欧米企業はインドをオフショア先として選ぶことが多いですが、隣国であるスリランカもその影響を受け、エンジニアの技術向上が進んでいるためです。

 

また、先述したとおり、英語に堪能なエンジニアが多いことも強みと言えます。

 

2-6. エンジニアの平均年収

スリランカのエンジニアの平均年収は幅があり、50万円〜150万円程度です。インドやパキスタンと比べると安く、南アジア圏でコストを抑えてオフショア開発したい場合にはメリットとなります。

 

3. スリランカのオフショア開発の特徴・注目理由とは?

スリランカでのオフショア開発は、インドの影響を強く受けていることが特徴です。スリランカはインドの隣国であることから、様々な分野で影響を受けています。中でもオフショア開発を中心としたIT産業は、欧米からのオフショア開発を中心に受託しているインドに牽引されることで技術を伸ばしてきました。

 

また、近年スリランカでのオフショア開発が注目されている理由としては、コストの低さが挙げられます。隣国インドはもちろん、東南アジア諸国(ベトナムやフィリピン)などは経済発展に伴ってエンジニアの人月単価が上昇しています。一方、スリランカは未だ経済発展の途上であるため、低コストで優秀なエンジニア人材を確保することが可能です。

 

4. スリランカのオフショア開発のメリット

▼ スリランカでのオフショア開発には、次のようなメリットがあります。

 

他東南アジア諸国に比べてコストが低い

理系の能力に優れた人材が多い

 

それぞれの詳細は次のとおりです。

 

4-1. 他東南アジア諸国に比べコストが低い

スリランカは経済発展途上の国なので、他東南アジア諸国に比べてコストを抑えたオフショア開発が可能です。ベトナムやフィリピンよりもコストを抑えて開発したい場合は、スリランカを委託先として選ぶことをオススメします。

 

4-2. 理系の能力に優れた人材が多い

理系の能力に優れた人材が多いことも、スリランカのオフショア開発のメリットです。

 

スリランカは経済発展途上の国としては高い識字率を誇り、教育に力を入れています。インドには理系の能力に強いイメージを持っている方も多いかもしれませんが、スリランカにも同様の期待をして良いでしょう。

 

5. スリランカのオフショア開発のデメリット

▼ スリランカでオフショア開発を行う際は、次のようなデメリットも考慮する必要があります。

 

オフショア開発企業が比較的少ない

人件費が徐々に上がっている

 

それぞれの概要と対策は次のとおりです。

 

5-1. オフショア開発企業が比較的少ない

スリランカのIT産業は発展途上であるため、オフショア開発企業が比較的少ないことはデメリットです。

 

とくに日本からのオフショア開発に対応している企業は多くないため、ベトナムやフィリピンへ委託することと比べると委託先の選定に苦労するでしょう。

 

一方、英語圏からのオフショア開発はインドと共に受託数が多いため、英語でのコミュニケーションに自信がある場合は選択肢が広がります。

 

5-2. 人件費が徐々に上がっている

スリランカのエンジニアの人月単価は非常に低コストですが、それでも人件費が徐々に上がっていることは否めません。

 

現状ではコストを抑えて委託できますが、オフショア開発の事例が増えるにつれて他の国と同様にコスト高となっていくことが予想されます。また、人件費の上昇は円安の影響も受けることは覚えておきましょう。

 

6. スリランカのオフショア開発会社のおすすめ2選

▼ スリランカのオフショア開発会社としては、次の2社がオススメです。

 

株式会社メタテクノ

株式会社Hinode Labo

 

それぞれの特徴を紹介します。

 

6-1. 株式会社メタテクノ

株式会社メタテクノは、スリランカの首都コロンボにオフショア開発子会社を構える企業です。IoT関係開発や業務アプリ開発をはじめ、モバイル系開発やWeb系開発にも対応しています。

 

日本語に堪能で経験豊富なエンジニアを抱えていることから、オフショア開発で支障となりやすいコミュニケーションの壁がないことが特徴です。リーダーレベルのブリッジエンジニアは日本でのソフトウェア開発経験が3年以上あるとのことなので、技術においてもビジネススキルにおいても信頼できます。

 

会社名 株式会社メタテクノ
拠点 コロンボ(スリランカ)
対応ジャンル IoT関係開発
業務アプリ開発
モバイル系開発
Web系開発
開発ツール AWS、Terraform、Python、C、C++、C#、PHPなど

 

6-2. 株式会社Hinode Labo

株式会社Hinode Laboは、日本人グローバルPM集団というコンセプトのもと、 戦略・BPR、AI・DXコンサル × システム開発 × Web3.0というユニークな事業を展開されています。

 

システム開発事業では、ニアショア、オフショア、適材適所なアサインを実現し、グローバルPMがプロジェクトを遂行されています。

 

スリランカでは、英語ネイティブなWeb、モバイルアプリのエンジニアの現地採用に成功されており、グローバル開発案件の開発拠点にされています。

会社名 株式会社Hinode Labo
拠点 日本(東京)
スリランカ
シンガポール
ベトナム(ハノイ、ダナン)
ミャンマー
対応ジャンル Webシステム開発
アプリ開発
開発ツール PHP、Python、Rails、React.js、ReactNativeなど

 

7. まとめ

スリランカはインドと同程度の技術を持つことが期待される国です。英語圏からのオフショア開発はインドに牽引されることで実績を増やしているため、今後ますます技術やコミュニケーション能力は向上していくでしょう。

 

また、スリランカの地理的な特性から東南アジアとヨーロッパ諸国・中東・アフリカを繋ぐハブとしても期待されており、経済発展が進めばさらに優秀な人材が集まることも期待できます。

 

ただし、日本からのオフショア開発実績は乏しく、経済状況やインフラ状況を考慮すると安心して委託できる日は遠いことが予想されます。実績が豊富な企業に委託したい場合は、ベトナムやフィリピンなど東南アジア諸国のオフショア企業へ委託することがオススメです。

 

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