1. オフショア開発とは
オフショア開発とは、アプリケーションやソフトウェア開発などのIT技術分野における開発技術を、海外の企業や法人に委託する手法を指します。
日本のIT業界では、人材不足や人件費の高騰、IT技術を導入する企業の増加などの問題を抱えており、日本国内だけでは求められているIT技術を提供するのが難しくなっているのが現状です。
そこで、オフショア開発を利用して国外の企業に業務委託すれば、上述した問題を解消できて多くのメリットを得られます。
▼ 委託先の主な国は下記の通りです。
- 中国
- ベトナム
- インド
- フィリピン
- バングラディッシュ
基本的に、人件費が安くIT技術の高いアジア圏の国に委託するケースが多いです。上記の中でもおすすめなのが「ベトナム」です。なぜなら、人件費が安いのはもちろん、親日家でまじめな国民性であり、日本企業との相性が良いためです。
また、2000年頃からIT人材の育成に国をあげて力を入れているため、技術力も高いです。
2. オフショア開発が注目される理由
オフショア開発が注目される具体的な理由を解説します。
2-1. 開発コストを抑えられる
海外企業に業務委託をすれば、開発コストをグッと抑えられます。なぜなら、開発コストのほとんどが人件費だからです。日本と海外を比較すると、人件費は日本の方が高くなる傾向が高く、特にアジア圏では日本より人件費が安くなるケースが多くなります。
▼ プログラマー1人に依頼する場合を例として、具体的にかかる人件費は下記の通りです。
国 | 月の単価相場 |
---|---|
日本 | 40万~60万円 |
中国 | 35万~40万円 |
ベトナム | 25万~35万円 |
インド | 30万~40万円 |
フィリピン | 25万~30万円 |
もちろん委託内容や業務量によって価格は変動しますが、基本的には海外の企業に業務委託をした方が安くなる場合が多いです。
2-2. 優秀なIT人材の確保
オフショア開発を利用すれば優秀な人材を確保できます。IT分野では、場所を選ばずに作業が可能なため、国内外に囚われずグローバルに人材を確保できるからです。また、上述したように単価も安いため、人材確保に必要な価格も抑えられるでしょう。
「経済産業省」によると、日本国内におけるIT人材が不足しており、2019年をピークに人材の供給が減少しています。また、人材にも当たり外れがあるため、優秀な人材を確保するには多くの時間や労力が必要になるでしょう。
そのため、オフショア開発を利用してグローバルに多くの人材とつながりを作れば、効率的に優秀な人材を確保できる可能性がグッと上がります。
2-3. リソース不足の解消
オフショア開発を利用すれば、リソース不足も解消できます。オフショア開発では、海外の企業に業務委託をする方法であるため、自らのリソースをほとんど必要としないためです。空いたリソースを利用して、新たな案件の受注や自社のシステム開発などが可能になります。
また、「経済産業省」のデータでは2015年からIT人材が不足しており、不足しているIT人材は年々増加しているため、国内だけでリソースを賄うのは現実的ではないでしょう。そのため、オフショア開発を利用すれば国外にリソースを確保できるため、リソース不足を解消できるでしょう。
2-4. 業務効率の向上
オフショア開発を利用すると、業務効率が向上します。海外の会社に業務を委託するため、自社のリソースを注ぐ必要がないからです。自社で事業開発を一からおこなう場合は、生産業務だけでなく、スケジュールの管理や定例会議、部署ごとの報告や連絡など、小さな業務にも多くの時間やリソースを奪われます。
しかしオフショア開発を利用すれば、製品開発における全ての業務を委託できるため、自社が使うリソースは、委託会社との連絡や契約だけに抑えられます。そのため、自社で確保しなければならないリソースを大幅に削減できるため、業務効率が飛躍的に向上します。
3. オフショア開発を成功させるためのポイントや注意点について
オフショア開発を成功させるポイントや注意点を具体的に解説します。
3-1. オフショア開発を成功させるポイント
▼ オフショア開発を成功させるためのポイントは下記の通りです。
- 委託する企業の実績を確認する
- 下請けではなく開発チームの一員として接する
- 管理ツールなど多くの情報を共有する
- ブリッジSEを起用する
オフショア開発を成功させるためには、委託先の企業の実力が成功に大きく関わります。そのため、委託する企業を選ぶ際は、必ず制作したソースコードなどを一度提出してもらい参考にしましょう。さらに、提出されたソースコードを作るのに必要になった期間や予算も合わせて聞いておくのがおすすめです。
また、業務委託であっても開発チームの一員として迎え入れましょう。開発チームの一員に加われば、プロジェクト全体のイメージが共有できるため、依頼した業務以上の働きを見込めます。
そのため、管理ツールなどでの情報共有が大切になります。管理ツールを共有していれば、適宜連絡や作業の進捗具合を確認できるため、小さなミスや軌道修正もスムーズにおこなえます。
開発チームに加わってもらい、管理ツールを共有するにあたって、ブリッジSEの起用が有効です。ブリッジSEとは、オフショア開発を円滑に進めるための橋渡しをするシステムエンジニアです。
ブリッジSEがいれば開発プロジェクトの計画や設計内容を説明してもらい、進捗状況の確認や品質の確認などがスムーズになります。
3-2. オフショア開発をする際の注意点
▼ オフショア開発をする際の注意点は下記の通りです。
- 感覚の共有を具体的に説明する
- 品質管理を徹底しておく
- プロジェクトの全容を伝える
オフショア開発は海外の企業に委託するため、日本との文化の違いから「当たり前」や「いい感じに」といった感覚も違います。そのため、依頼する内容はもちろん細かいニュアンスまで具体的に共有する必要があります。
また、品質の管理も徹底しておかなければ、日本人の「当たり前」と違う製品が納品される可能性があります。日本と違いテストコードの習慣がないほか、日本の基準を下回っている可能性があるからです。上述したブリッジSEを起用すれば品質の管理も任せられます。
業務を依頼するにあたってプロジェクトの全容を伝えておかなければ、開発コードを依頼された意味を理解できず、最低限の品質でプロジェクトには適さないコードになる可能性があります。
4. まとめ
オフショア開発は開発コストの削減やIT人材の確保、リソース不足の解消や業務効率の向上など多くのメリットがあります。また、オフショア開発を成功させるためにブリッジSEを起用すれば、橋渡しをしてもらうとコミュニケーションや品質、進捗状況の確認などスムーズに連携ができるようになります。
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