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2024.08.02

海外エンジニアの採用 | メリットや注意点、採用を成功させるポイントを解説

海外エンジニアの採用 | メリットや注意点、採用を成功させるポイントを解説

海外エンジニアの採用をご検討ではないでしょうか。
本記事では、日本国内で働く外国人エンジニアの現状、海外のエンジニアを採用するメリット、採用する際の注意点、主な採用方法、確認すべきポイント、そして採用を成功させるポイントについて解説します。

目次

    1. 日本国内で働く外国人労働者の現状

    経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材が40~80万人不足することが予測されています。少子高齢化により慢性的に労働力が不足している日本では、IT人材の育成が追いついておらず、優秀なエンジニアを確保することが困難な状況です。

    参考資料:参考資料 (IT人材育成の状況等について)「経済産業省」

    一方、日本国内で働く外国人は増加傾向にあります。厚生労働省の調査によれば、2023年10月末時点で外国人労働者数は約204万人、前年と比べて約22万人増加と、届出の義務化から過去最高を記録しているようです。国籍別に見ると、ベトナムが外国人労働者数全体の25.3%ともっとも多く、次いで中国が19.4%、フィリピンが11.1%を占めています。

    参考資料:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)「厚生労働省」

    外国人材の円滑な受入れに向けて、2012年から「高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度」が導入され、以前より優秀な外国人エンジニアが日本で就労しやすくなりました。今後も外国人労働者が増加することが見込まれています。

    2. 海外のエンジニアを採用するメリット

    海外のエンジニアを採用するメリットは以下の4つです。

    • スキルが高い優秀な人材の確保ができる
    • ビジネスのグローバル化につながる
    • 技術力と革新性の向上が期待できる
    • 既存社員のモチベーションアップにつながる

    それぞれのメリットについて詳しく解説します。

    2-1. スキルが高い優秀な人材の確保ができる

    海外のエンジニアを採用するメリットの1つ目は、スキルが高い優秀な人材の確保ができることです。

    海外の有名大学でスキルを身に付けたエンジニアが、安定した雇用や公的医療保険などのメリットがある日本での就労を目指すケースが増加しています。
    海外のエンジニアが優秀である理由の一つには、在留資格を取得するために高度な技能や経験が求められることが挙げられます。また、日本で働く外国人エンジニアは職務に応じた日本語能力が求められるため、日本語能力試験を受けるなどして、日本語のスキルを向上させる必要があります。海外のエンジニアを採用することで、語学力に優れ、専門スキルの高い優秀な人材の確保ができるでしょう。

    2-2. ビジネスのグローバル化につながる

    海外のエンジニアを採用するメリットの2つ目は、ビジネスのグローバル化につながることです。

    日本人だけでビジネスを展開すると、日本特有の商慣習に固執してしまい、海外への進出がうまくいかないこともあるでしょう。海外のエンジニアを採用すれば、自国とは異なる言語や海外の文化、慣習、視点に触れる機会が増えます。海外に開発拠点を設置する場合においても、その土地の文化や言語に精通したエンジニアを現地責任者として任命することが可能です。

    2-3. 技術力と革新性向上が期待できる

    海外のエンジニアを採用するメリットの3つ目は、技術力と革新性の向上が期待できることです。

    海外のエンジニアは、異なる教育背景や技術トレーニングを受けており、新しい技術トレンドに敏感です。異なるバックグラウンドを持つエンジニアチームは、多様な視点やスキルセットをチームにもたらし、チーム全体の技術力や革新性が向上する可能性があります。

    2-4. 既存社員のモチベーションアップにつながる

    海外のエンジニアを採用するメリットの4つ目は、既存社員のモチベーションアップにつながることです。

    海外のエンジニアはキャリアアップや新しい技術への挑戦を熱心に求める傾向があります。もちろん個人差はありますが、自国を離れて働くエンジニアには、キャリアの成功や新しい環境での挑戦意欲が高いと言えるでしょう。日本人は国際的に勤勉なことで知られていますが、海外のエンジニアも勤勉さや成長意欲では負けていません。海外のエンジニアと一緒に仕事をすることで社内が活性化し、既存社員のモチベーションアップにつながるでしょう。

    3. 海外のエンジニアを採用する際の注意点

    海外のエンジニアを採用する際の注意点は以下の4つです。

    • 入社手続きに手間がかかる
    • コミュニケーションがスムーズにいかない場合がある
    • 文化や仕事への価値観の違いを理解しておく
    • 仕事以外でのサポートも必要となる

    それぞれの注意点について詳しく解説します。

    3-1. 入社手続きに手間がかかる

    海外のエンジニアを採用する際の注意点の1つ目は、入社手続きに手間がかかることです。

    海外のエンジニアを採用すると、従来の入社手続きに加え、就労ビザ・在留資格の確認や外国人雇用状況届出の提出などの手続きも合わせて行う必要があります。さらに、海外のエンジニアを10人以上採用する場合には、雇用労務責任者の選任が必要です。

    また、海外のエンジニアが日本で働くためには、就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」における「技術」のビザを取得している必要があります。企業側が就労ビザの取得に直接関わることはありませんが、就労ビザを取得する際に勤務先企業の審査も行われるため、就労ビザについての理解も深めておくようにしましょう。

    上記のように、海外のエンジニアを採用する場合、日本人のエンジニアの採用より入社手続きに手間がかかります。

    3-2. コミュニケーションがスムーズにいかない場合がある

    海外のエンジニアを採用する際の注意点の2つ目は、コミュニケーションがスムーズにいかない場合があることです。

    日本で働くことを目指す海外のエンジニアは日本語の勉強も頑張っていますが、日本語によるコミュニケーション能力には個人差があります。基本的な日本語をある程度理解できる日本語能力試験N5レベルから日常会話ができるN3レベル、複雑な内容まで理解できるN2レベル以上まで、日本語によるコミュニケーション能力はさまざまです。

    また、日常会話や指示への理解には問題がない場合も、日本語特有のニュアンスや日本文化を前提とした例えまでは正確に意味や意図を理解できないこともあるでしょう。海外のエンジニアを採用する際は、コミュニケーションがスムーズにいかない場合があることも頭に入れておくことが重要です。

    3-3. 文化や仕事への価値観の違いを理解しておく

    海外のエンジニアを採用する際の注意点の3つ目は、文化や仕事への価値観の違いを理解しておくことです。

    日本と海外では、文化や風習、仕事への価値観、働き方が異なります。出退勤の際に挨拶をする習慣がない人、自分の給与やボーナスについてオープンに話す人、仕事よりも家族とのプライベートな時間を優先する人など、様々な価値観の方がいるでしょう。日本の働き方を無理に押し付けようとすると、トラブルになったり辞めてしまったりするかもしれません。海外のエンジニアを採用する際には、日本と海外では働き方や考え方に差があることを理解しておきしましょう。

    3-4. 仕事以外でのサポートも必要となる

    海外のエンジニアを採用する際の注意点の4つ目は、仕事以外でのサポートも必要となることです。

    海外のエンジニアが日本で生活する場合、住む場所の確保やライフラインの契約などさまざまな問題に直面します。特に住宅の賃貸契約では国籍と言語が大きなハードルとなります。そのため、企業側が社員寮を用意したり賃貸契約を企業側で行ったりするなど、海外のエンジニアが安心して働けるようにする必要があります。海外のエンジニアを採用する際は、仕事以外でのサポートも必要となることを念頭に入れておきましょう。

    4. 海外エンジニアを採用する方法

    海外エンジニアを採用する方法は様々です。

    • 求人サイトで募集する
    • 求人広告を出稿する
    • 自社WEBサイトで募集する
    • 現地採用イベントやキャリアフェアへの参加
    • 大学連携プログラムの利用
    • リファラルプログラムの活用

    いずれの方法でも、募集から本採用・入社までに時間がかかることに注意が必要です。

    5. 海外エンジニアを採用する時に確認するべきポイント

    海外エンジニアを採用する時に確認するべきポイントは以下の2点です。

    • 日本で働く覚悟、意志の強さを確認する
    • 就労条件をすり合わせておく

    それぞれのポイントについて詳しく解説します。

    5-1. 日本で働く覚悟、意志の強さを確認する

    海外エンジニアを採用する時に確認するべきポイントの1つ目は、日本で働く覚悟、意志の強さを確認することです。

    日本で働くことを目指す海外のエンジニアの大半はある程度覚悟を持って求人に応募するケースがほとんどですが、残念ながら一部には日本への憧れや賃金の高さだけで応募する海外のエンジニアもいます。海外エンジニアを採用する際は、自社以外の日本企業にも応募しているのか、他国でも就職活動をしているのかなど、どの程度本気で日本で働こうとしているのかを確認しましょう。

    5-2. 就労条件をすり合わせておく

    海外エンジニアを採用する時に確認するべきポイントの2つ目は、就労条件をすり合わせておくことです。

    日本の企業では長い間、年功序列・終身雇用が当たり前とされてきました。現在では徐々に状況が変わりつつありますが、今でもそれらを前提としている企業が多いようです。
    海外では実力・成果主義を基本とするケースが多いため、日本の雇用慣習が受け入れられないと感じる海外のエンジニアも多いでしょう。
    また、海外では馴染みの薄い、みなし残業や有給休暇、振り替え休日、休日出勤などの制度について、正確に理解できていない可能性もあります。用語自体を初めて聞くこともあるかもしれません。制度に関する説明や制度の必要性の説明を丁寧に行い、制度への理解を深めさせましょう。

    海外エンジニアを採用する際は、就労条件をすり合わせてお互いのミスマッチを防ぐことが重要です。

    6. 海外エンジニアの採用を成功させるポイント

    海外エンジニアの採用を成功させるポイントは以下の2点です。

    • 外国人エンジニアが働きやすい環境を構築する
    • 日本人社員への周知と理解を得る

    それぞれのポイントについて詳しく解説します。

    6-1. 外国人エンジニアが働きやすい環境を構築する

    海外エンジニアの採用を成功させるポイントの1つ目は、外国人エンジニアが働きやすい環境を構築することです。

    海外では実力・成果主義が一般的となっており、何年も大きな仕事を任せてもらえないと、日本で働いてもキャリアアップにつながらないと思われてしまうかもしれません。また、今よりもっと条件の良い国や企業が見つかったら、転職してしまうかもしれません。
    また、海外は日本よりもワークライフバランスを意識して働く傾向にあるため、転勤や残業、休日出勤が多い企業だと、定着率が低下する恐れもあります。海外エンジニアの採用を成功させるためには、外国人エンジニアが働きやすい環境を構築することが重要です。

    6-2. 日本人社員への周知と理解を得る

    海外エンジニアの採用を成功させるポイントの2つ目は、日本人社員への周知と理解を得ることです。

    以前に比べ、海外の人材が日本の企業で働くケースは増えていますが、多くの企業ではまだ少ない状況です。採用した海外のエンジニアと同様に、日本人社員も不安に感じることもあるでしょう。異文化コミュニケーションのトレーニングや、海外のエンジニアが働きやすい環境を提供するためのガイドラインを設けることが重要です。例えば、文化の違いを理解するためのワークショップを開催したり、日常業務における明確な役割分担と責任範囲を設定し、誤解やトラブルを未然に防ぐ工夫が必要です。

    初めて海外のエンジニアを採用する場合は、事前に社員へ通知し、接し方や文化の違いについて理解を深めてもらいましょう。

    7. 海外エンジニアを採用するなら、どこの国がいい?

    海外エンジニアを採用するなら、技術力が高く人件費が安いベトナムがおすすめです。ベトナムのIT市場は成熟期に入っており、高い技術力を持ったエンジニアが豊富にいます。他国のエンジニアと比べて人件費が安く、開発にかかるコストを抑えることが可能です。

    アジア新興国諸国におけるエンジニアの人件費目安

    海外エンジニア人件費
    ベトナム20万~35万円
    インド30万~60万円
    中国35万~55万円
    タイ27万~37万円
    インドネシア24万~32万円
    フィリピン25万~35万円
    ミャンマー10万~20万円

    ベトナム人エンジニアのスキル・技術力、採用するメリットは以下の通りです。

    スキル・技術力幅広いプログラミング言語に対応
    WEBシステムなどサービス系の開発を得意とする
    AI開発などの案件に強い
    英語や日本語に対応する語学力が優れている
    開発スピードが早い
    最新技術の習得が早い
    開発基礎をしっかりと習得している
    オフショア開発の実績が豊富
    採用するメリット若手で優秀な人材の確保につながる
    他国と比べてエンジニア単価が比較的安い
    日本企業との開発実績が豊富
    企業の即戦力となる
    意欲的な人材が多く最新技術を取り入れやすい

    8. 海外エンジニアの採用を考えているなら「オフショア開発」もおすすめ

    海外エンジニアの採用を考えているなら、オフショア開発もおすすめです。「オフショア開発」とは、人件費が安いエンジニアを活用することで開発コストを抑える手法です。オフショア開発の開発体制には、ラボ型と請負型の2種類があります。

    それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

    開発体制メリットデメリット
    請負型期日までに成果物の納品が保証されている
    開発工数、コストを削減できる
    仕様変更が難しい
    運用、保守がしにくい
    開発ノウハウが蓄積しにくい
    ラボ型長期間エンジニアを確保できる
    仕様を柔軟に変更できる
    開発ノウハウを蓄積しやすい
    複数の案件を委託できる
    軌道に乗るまでのフォローや準備期間が必要
    発注が少ない場合は費用対効果が悪い
    委託側のコミュニケーションコストがかかる

    海外のエンジニアと雇用契約を締結することなく、技術力やノウハウを開発に活用できます。

    オフショア開発については、下記の記事で詳しく解説しています。

    オフショア開発とは? メリット・デメリットを解説

    9. まとめ

    今回は、海外エンジニアの採用について解説しました。

    海外のエンジニアを採用するメリット、採用する際の注意点、採用する主な方法、採用する時に確認するべきポイント、採用を成功させるポイントは以下の通りです。

    採用するメリットスキルが高い優秀な人材の確保ができる
    ビジネスのグローバル化につながる
    技術力と革新性の向上が期待できる
    既存社員のモチベーションアップにつながる
    採用する際の注意点入社手続きに手間がかかる
    コミュニケーションがスムーズにいかない場合がある
    文化や仕事への価値観の違いを理解しておく
    仕事以外でのサポートも必要となる
    採用する時に確認するべきポイント日本で働く覚悟、意志の強さを確認する
    就労条件をすり合わせておく
    採用を成功させるポイント外国人エンジニアが働きやすい環境を構築する
    日本人社員への周知と理解を得る

    一方、自社で海外エンジニアを直接採用しなくても、オフショア開発サービスを利用すれば比較的安価で海外のエンジニアへ依頼ができます。海外エンジニアの採用を検討している方は、オフショア開発サービスの利用も検討してみましょう。

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