オフショア開発

2023.06.15

ラオスのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

ラオスのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

これまでオフショア開発を行う際、人件費の安さからまず候補に挙がるのは中国でした。しかし中国のIT技術の向上に伴い、人件費が高くなり、コスト面のみを考慮して中国でのオフショア開発を行うことは減りました。代わりに台頭してきたのが東南アジア諸国です。本記事ではラオスでのオフショア開発の特徴と今後の課題について解説いたします。

目次

    1. オフショア開発とは

    オフショア開発とは、アプリやシステム開発、システムの運用・保守などを人件費の安い海外にアウトソースする手法です。ソフトウェアの開発などには時間がかかり、その分の多額の人件費がかかります。

    また、国内では近年、ITエンジニアが不足するという問題に直面しており、人件費も高騰しています。一方海外、特に東南アジアの人件費は日本と比較して低いです。人件費の安い地域でオフショア開発を行うことで、コスト削減と人材の確保が期待できます。

    2. ラオスのオフショア開発の基本情報

    国民性おおらか、穏やか、寛容
    公用語ラオス(ラオ、ラーオ)語
    経済成長率2022年における実質GDP成長率は2.5% 188億USドル
    エンジニアの技術力周辺国より遅れている

    2-1. 国民性

    ラオスは仏教が広く信仰されている、東南アジアの内陸に位置する国です。そんなラオス人の国民性を表すのに、おおらか、穏やか、寛容という言葉が良く使われます。

    真面目で粘り強い方が多く、日本人とも似ており、仕事を一緒にするのに向いているでしょう。ただしのんびりとした性格でもあるため、期日をしっかり管理することが重要です。

    2-2. 公用語

    50近い民族で構成されるラオスは、ラーオ族がその半数を占める多民族国家です。人口は約740万人で、公用語はラーオ族が使うラオス語(ラオ語、ラーオ語とも呼ばれます)です。

    2-3. 経済成長率

    アジア開発銀行(ADB)による2022年、ラオスの経済成長率は4月時点では3.4%だったものの、9月時点では2.5%と下方修正されました。一方、2023年は回復基調にあり、3.5%の成長が見込まれています。また、ラオス統計局による2021年のGDPは188億USドルです。その成長のほとんどを自然資源に由来しているため、今後のIT市場の拡大に注目が集まっています。

    2-4. エンジニアの技術力

    ラオス国では情報技術分野の導入と開発が他国より遅れていることが懸念されていましたが、2001年の党大会でIT技術の活用が明言されました。日本政府もラオスの技術力向上プロジェクトに寄与しています。現時点での技術力はまだ周辺国には及びませんが、今後は政府の政策により、技術力の向上が期待できます。

    3. ラオスのオフショア開発の特徴

    ラオスのオフショア開発ではコストが低く抑えられることが特徴です。一方、周辺国のベトナムなどと比較すると技術力がまだ低いことが懸念されます。このため、大型システム開発案件ではなく、スマートフォンやパソコンで使われるアプリ開発がメインとなっています。

    このため、今後ラオスでオフショア開発を行うには、開発に見合うIT技術力を向上させるために、エンジニアの教育を行う必要があります。

    また、ラオスは政治的に安定しており、オフショア開発における政治的リスクが小さいことも特徴としてあげられます。

    4. ラオスのオフショア開発の現状は?

    前述のとおり、ラオスは周辺国に対し、IT技術力の遅れが指摘されています。このため、今まではオフショア開発先としては、ほとんど視野に入っていませんでした。

    しかし、ラオスは国としてIT政策に力を入れ始め、日本も支援を行っており、少しずつIT技術力が向上してきています。このため、今後はその国民性や親日国であることも相まって、オフショア開発先の候補のひとつになると期待されています。

    5. ラオスのオフショア開発のメリット

    ラオスのオフショア開発では、主にふたつのメリットがあります。コスト面についてと、時差の少なさに関してです。

    5-1. 開発コストを抑えられる

    ラオスのオフショア開発では、コストを大きく抑えられることがメリットとして見込まれます。ラオス人の人件費は大変低く、最低賃金は近隣諸国であるカンボジアよりもさらに低いからです。

    多くはないですが、技術力のある現地エンジニアを獲得することができれば、技術教育も必要ないため、いっそうコストを抑えた開発環境の構築が可能です。

    5-2. 時差が少なくコンタクトが取りやすい

    東南アジア諸国でのオフショア開発のメリットのひとつに、時差が少ないことがあげられます。時差が大きいと、問題発生の際にタイムリーにやり取りをすることが難しいからです。

    この点、ラオスと日本の時差は2時間で、問題が発生した際もすぐに情報共有し、問題の解決に向けてやり取りをすることが可能です。

    6. ラオスのオフショア開発の課題

    ラオスでのオフショア開発における今後の課題としては、エンジニアの技術向上、技術者の人員増加の必要性があげられます。現状では、日本が求める技術力を満たすエンジニアの数は少なく、ラオスでオフショア開発をする際にはエンジニアの育成が必須です。

    多くのITエンジニアは即戦力としては期待できないため、日本の主要なオフショア開発国となるには時間がかかることが見込まれています。

    言語も問題のひとつです。日本語に興味があるラオス人は多いものの、習得している方は少ないことが知られています。日本語とラオス語に堪能なブリッジSEを見つける必要があります。

    インフラについても同様です。ラオスの国全体の電化率は高いですが、インターネット接続があまり普及していません。今後のラオスのインフラ発展が期待されます。

    7. ラオスオフショア開発の今後について

    現在はまだ技術力は周辺諸国に追いついていませんが、政府がIT政策を積極的に進めています。今後優秀な人材が育つことで、オフショア開発地の候補になることが見込まれます。

    8. まとめ

    ラオスのオフショア開発の特徴と今後について解説いたしました。ラオスでオフショア開発を行う際は、コストが低いことが大きなメリットです。一方、技術はまだ心もとないことが不安要素です。

    ラオスでは現在、国をあげてIT政策が行われており、今後の技術の発展に期待できます。他社に先駆けIT技術者の教育を行うなどの対策を取ったうえで、ラオスでオフショア開発を行うことで、先行者メリットが得られるでしょう。

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