オフショア開発

2023.07.11

運用・保守もオフショア開発先に委託できる!委託可能な業務を解説

運用・保守もオフショア開発先に委託できる!委託可能な業務を解説

オフショア開発と聞くと、ゼロからサービスを開発する業務を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実はシステムの運用・保守業務もオフショア開発先に委託できます。運用・保守業務はシステム開発と比べるとオフショア委託のハードルが低いため、エンジニア人材の確保に困っている企業には特にオススメです。

目次

    1. オフショア開発で委託できる業務とは?

    オフショア開発では「開発」だけでなく、その他のエンジニアリング業務も委託できます。

    ▼ 代表的な業務は次の4種類です。

    開発

    ・運用・保守

    ・テスト・検証

    ・アップデート・改修

    それぞれの詳細を紹介します。

    1-1. 開発

    システムやアプリケーション、ECサイトなどの開発業務は、オフショア開発で委託されることの多い代表的な業務のひとつです。委託方法は2種類で、プロジェクト単位で依頼する「受託(請負)」と、期間を定めてエンジニアチームを確保する「ラボ型」があります。

    開発業務を日本国内で行う場合は多額のコストがかかりますし、業務対応可能なエンジニア確保が難しい場合も多いです。一方、オフショア開発であればコストを抑えられますし、海外の豊富なエンジニアリソースを確保できます。そのため、開発業務はオフショア開発に向いています。

    1-2. 運用・保守

    運用・保守は、開発後のシステムやサービスを維持する業務です。サーバやネットワーク環境を安定的に稼働させる業務や、トラブル発生時の対応業務が含まれます。

    運用・保守は、サービス内容によっては24時間体制での対応を求められます。そのため、あえて時差のある国へ依頼し、日本国内のエンジニアと分業体制で保守することも少なくありません。

    また、運用・保守は比較的長期間の契約となるため、ラボ型開発が向いています。

    1-3. テスト・検証

    システム開発後または改修後のテスト・検証業務も、オフショア委託できる業務です。

    検証業務は品質保証を担保するために、システムを開発したチームから独立した品質保証チーム(QAチーム|Quality Assurance)が行うことが望ましいとされています。

    システム開発は日本国内で行ったとしても、テスト・検証業務だけをオフショア委託することも可能です。QAチームをオフショアで確保すれば、バグの発見や各種テスト作業をコストを抑えて実施できます。

    1-4. アップデート・改修

    既存システムのアップデート・改修業務も、オフショア委託が可能です。

    特にスマートフォンアプリは、iOSやAndroidのアップデートに伴った改修業務が発生します。また、各種Webサービスも、サーバ環境の更新に伴ったシステム改修が必要です。

    これらのスポット的なアップデートのために、社内にエンジニアを常駐させておくことは固定費の増加に繋がります。そのため、オフショア開発先に単発で委託する方法がオススメです。

    2. オフショア開発で運用・保守を委託するメリット

    オフショア開発で運用・保守を委託するメリットとしては、次の2点が挙げられます。

    システム運用の効率化に繋がる

    時差・言語リスクが低い

    それぞれの詳細は次のとおりです。

    2-1. システム運用の効率化に繋がる

    オフショア開発で運用保守に対応すれば、システム運用の効率化に繋がります。先述したように自社でエンジニアを常時雇用することは固定費の増加に繋がり、経営環境を悪化させかねません。

    しかし、作業が必要な時のみエンジニアを雇用することは難しいでしょう。一方、オフショア開発で運用・保守を任せれば、コストを抑えてサービス環境を維持できます。

    また、近年ではGoogleが提唱したサービス管理方法であるSRE(Site Reliability Engineering)が注目されていますが、人手不足の日本国内でSREに対応するリソースを確保することは難しい場合も多いです。

    一方、オフショア先として人気のあるベトナムなどであれば、国策としてIT人材が豊富に供給されていますから、SRE用の人材を確保しやすいと言えます。

    2-2. 時差・言語リスクが低い

    オフショア開発では時差や言語のリスクが懸念されることが多いですが、運用・保守業務であれば心配する必要はありません。

    システム保守業務は、既存のシステムをベースに行う作業なので、基本的にコミュニケーションは不要です。そのため、時差や言語の壁があっても、問題なく業務を進められます。

    3. オフショア開発で運用・保守を委託する場合におすすめの契約は?

    さて、オフショア開発には次の2とおりの契約方法があると紹介しました。

    ラボ型契約

    受託契約

    オフショア開発で運用・保守を委託する場合におすすめの契約はどちらなのか、それぞれの特徴と合わせて解説します。

    3-1. ラボ型契約

    ラボ型契約は、一定の期間を定めてエンジニアチームを確保する契約方法です。期間中であれば柔軟に対応してくれるため、エンジニアリソースを常に確保しておきたい企業向けと言えます。

    保守・運用業務は継続的な業務が必要になるため、ラボ型契約でのオフショア委託がオススメです。

    3-2. 受託契約

    受託契約は、プロジェクト(成果物)単位で契約する方法です。システムやアプリなど、開発したい内容が明確に決まっている場合には、受託契約がオススメと言えます。

    4. オフショア開発で運用・保守を委託する場合におすすめの国

    運用・保守をオフショア委託する場合、次の3か国がオススメです。

    ・ベトナム

    ・フィリピン

    ・インド

    それぞれの理由を紹介します。

    4-1. ベトナム

    ベトナムは、日本からのオフショア先として人気が高い国です。コストを抑えられるだけではなく、技術力も高いため、どのような業務でも委託できます。また、国策としてIT分野に力を入れており、多くのエンジニア人材を確保できることもメリットです。

    4-2. フィリピン

    フィリピンもコストを抑えて安定的にエンジニア人材を確保できる国です。技術的にはWeb全般(JavaScript、PHP、HTML、CSS)や、デザインに強いと言われているため、Webサービスの保守業務にオススメと言えます。

    4-3. インド

    インドは、高い技術力が特徴のオフショア先です。ただし、ベトナムやフィリピンと比べるとコストは高いので、多少の費用をかけても高い技術力を持ったエンジニアを確保したい場合に選ぶと良いでしょう。

    5. オフショア開発で運用・保守を委託する場合の問題点と対策方法

    さて、オフショア開発で運用・保守を委託することには多くのメリットがありますが、次のような問題点も存在します。

    コミュニケーションロスやマネジメントが難しい

    システム運用の品質が不安定

    人材教育のコストが高くつく

    それぞれの詳細と対策方法は次のとおりです。

    5-1. コミュニケーションロスやマネジメントが難しい

    運用・保守業務は開発業務と比べると言語や時差のハードルが低いですが、コミュニケーションロスやマネジメントが難しいことも事実です。

    定型的な作業が続くためマネジメントを疎かにしがちですが、できれば定期的にミーティングを行うなど管理体制を構築した方が良いでしょう。

    5-2. システム運用の品質が不安定

    システム運用の品質が不安定なことも、オフショア開発で運用・保守を委託する場合には気をつけなければなりません。

    オフショア先の国によっては、日本とは品質基準が異なる場合も多々あります。そのため、運用・保守業務といえども、サービス維持の要件定義は行っておきましょう。

    また、委託先の国によってはインフラ環境や政情の不安定さから、保守業務に向いていないこともあります。確実なサービスを求める場合は、ベトナムなどインフラ・政情ともに安定した国を選びましょう。

    5-3. 人材教育のコストが高くつく

    オフショア開発を委託する国によってはエンジニアの離職率が高く、人材教育のコストが高くつく場合もあります。

    特に海外のエンジニアは福利厚生面はもちろん、自身のキャリアアップなどを考えて転職することも多いので、委託先のエンジニア定着率は確認しておいた方が良いでしょう。

    6. まとめ

    オフショア開発の委託先に運用・保守業務も任せることには、多くのメリットがあります。

    一定期間エンジニアリソースを確保できる「ラボ型開発」であれば、コストを抑えて優秀な人材を確保できるため、運用・保守業務に特にオススメです。

    開発業務を委託することは不安でも、運用・保守業務であれば比較的ハードルも低いため、安心して任せられます。サービスの運用・保守業務のコスト削減を考えている場合は、ぜひオフショア開発を活用してみてください。

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