オフショア開発

2023.06.29

シンガポールのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

シンガポールのオフショア開発の特徴とは?メリット・デメリットを解説!

オフショア開発というと、東南アジアのベトナムやフィリピンへ委託することが一般的です。しかし、同じ東南アジアのシンガポールにも、優秀な人材が豊富というメリットがあります。この記事では、シンガポールのオフショア開発のメリット・デメリットについて解説します。シンガポールでのオフショア開発を検討している方はぜひご覧ください。

目次

    1. オフショア開発とは

    オフショア開発とは、東南アジアなどの海外へエンジニア業務を委託することです。日本よりもエンジニアの人月単価相場が安い国へ開発業務を委託することで、コスト削減が期待できます。

    また、エンジニアの育成に力を入れている国へ委託することで、日本国内でエンジニアを雇用するより容易に優秀な人材を確保できることも特徴です。日本国内では少子高齢化の影響もあり働き手が減っていますが、東南アジア諸国のような人口が増えている国であれば、優秀な若手人材を確保できます。

    さて、オフショア開発の委託先というとベトナムやフィリピンが有名ですが、同じ東南アジアのシンガポールを検討している方もいるのではないでしょうか。シンガポールはベトナムなどと比べると人件費が高めですが、委託先の候補として考えてみても良いでしょう。

    2. シンガポールのオフショア開発の基本情報

    ▼ シンガポールのオフショア開発の基本情報は次の表のとおりです。

    国民性平等、人的資源を重視
    公用語英語、中国語、マレー語、タミール語
    経済状況非常に発展している
    日本との時差1時間
    エンジニアの技術力非常に高い
    エンジニアの人月単価70万円~100万円
    エンジニアの平均年収600万円以上

    それぞれの概要を紹介します。

    2-1. 国民性

    シンガポールは平等を重んじる国民性といわれています。シンガポールは多民族国家で歴史的背景も複雑であることから、現代社会をスムーズに生きるためにも平等性が重要です。

    また、国土が狭いことから人的資源を重視しており、教育に熱心な面もあります。人的資源が重視されているため、オフショア開発を含めたIT分野の産業が発展しているといえるでしょう。

    2-2. 公用語

    シンガポールの公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語です。(国語はマレー語)

    それぞれの言語は平等に扱われており、学校でも各言語の教育が行われています。言語に堪能なエンジニアが多いので、多言語展開したいシステムのオフショア開発にオススメです。

    2-3. 経済状況

    シンガポール経済は非常に発展しており、一人当たりのGDPは日本よりも高い水準です。とくにエレクトロニクス・化学関連などの製造業や、通信業・金融サービス業などが発展しています。世界屈指のグローバル都市でもあり、ニューヨークや東京に比肩する都市です。

    2-4. 日本との時差

    シンガポールと日本との時差は1時間です。日本の方が1時間早く進んでいます。なお、シンガポールはオフショア先として人気のあるベトナムなど東南アジア諸国との距離が近いため、マネジメント拠点を置く場所として優れています。

    2-5. エンジニアの技術力

    シンガポールのエンジニアの技術力は非常に高く、世界中から優秀な人材が集まっています。

    2-6. エンジニアの人月単価

    シンガポールのエンジニアの人月単価は日本都市部と同水準で、70万円〜100万円程度になる場合もあります。円安の影響で、シンガポールの人月単価の方が高い場合もあるので注意してください。

    2-7. エンジニアの平均年収

    シンガポールのエンジニアの平均年収は年々増加しており、若手エンジニアでも年収600万円以上の場合もあります。

    3. シンガポールでオフショア開発をするメリット

    シンガポールでオフショア開発するメリットとしては、次の2点が挙げられます。

    他国に比べITリテラシーが高め

    各種優遇措置の整備がされている

    それぞれの詳細は次のとおりです。

    3-1. 他国に比べITリテラシーが高め

    シンガポールのエンジニアは、他の東南アジア諸国のエンジニアと比べるとITリテラシーが高いです。シンガポールでは人的資源が重視されており、世界の金融センターとしても機能していることから、優秀なエンジニアが多数働いています。

    オフショア開発の場合も、英語が公用語であることからアメリカ企業の案件に対応していることもあり、他の東南アジア諸国とは一線を画しているといえるでしょう。

    3-2. 各種優遇措置の整備がされている

    シンガポールは各種優遇措置が整備されていることも特徴です。シンガポールは国土が狭い分、IT産業で競争力を高める必要があることから、低い税率や税制優遇措置などで外資企業を積極的に誘致しています。

    シンガポールにとってとくに有益な事業を行う企業は「パイオニア企業」と分類され、5年〜10年もの間にわたって税金が全て免除されるなど、優秀な企業を集めるための政策も多いです。

    4. シンガポールでオフショア開発をするデメリット

    シンガポールには優秀な人材が多く、各種の優遇措置が用意されていますが、オフショア開発の委託先としては致命的なデメリットも少なくありません。

    人材確保が難しい

    他東南アジア諸国に比べコストが高い

    それぞれ詳細は次のとおりです。

    4-1. 人材確保が難しい

    シンガポールは人口が多い訳ではなく、欧米各国からの需要も高いため、日本企業がオフショア開発をする場合に人材を確保しづらいことはデメリットです。

    オフショア開発の委託先として人気のベトナムやフィリピンでは多くのエンジニアを確保しやすいことと比較すると、シンガポールの状況はオフショア開発向きではありません。

    4-2. 他東南アジア諸国に比べコストが高い

    シンガポールのエンジニアの人月単価は日本の都市部並みで、他の東南アジア諸国に比べてコストが高いこともデメリットです。豊富な予算を持った企業でないとシンガポールで人材を確保することは難しいでしょう。

    シンガポールは国民一人当たりのGDPが日本よりも高く、世界の金融センターとしても名高いなど、先進国の中でも稼いでいる国に分類されます。そのため、エンジニアへの依頼単価も非常に高く、オフショア開発のメリットであるコスト削減は期待できません。

    なお、ベトナムやミャンマーなど東南アジア諸国と地理的に近いことを活かし、プロジェクトマネージャーだけシンガポールで採用し、実際に手を動かす作業部門だけ他国にオフショアする方法もあります。

    5. シンガポールオフショア開発会社のおすすめ2選

    株式会社DATAFLUCT

    株式会社Hinode Labo

    それぞれの概要は次のとおりです。

    5-1. 株式会社DATAFLUCT

    株式会社DATAFLUCTは、オフショア開発の拠点をシンガポールに持つデータサイエンスを提供する企業です。エンジニア不足が続く日本ではなく、ハイスキルエンジニアや資金があつまるシンガポールに拠点を持つことで、優秀な人材の獲得に動いています。

    ベトナムのホーチミンにも事務所があるため、コストを抑えた開発も可能です。

    会社名株式会社DATAFLUCT
    拠点東京
    シンガポール
    ベトナム
    対応ジャンルデータサイエンス
    システム開発事業
    ソフトウェア販売事業
    開発ツールDocker、MySQL、Vuetify、Pythonなど

    5-2. 株式会社Hinode Labo

    株式会社Hinode Laboは、日本人グローバルPM集団というコンセプトのもと、戦略・BPR、AI・DXコンサル × システム開発 × Web3.0というユニークな事業を展開されています。

    システム開発事業では、ニアショア、オフショア、適材適所なアサインを実現し、グローバルPMがプロジェクトを遂行されています。シンガポールでは、アジア各国の拠点を管理するグローバルPMの現地採用や、ブロックチェーンエンジニアの現地採用をされています。

    会社名株式会社Hinode Labo
    拠点ベトナム(ハノイ、ダナン)
    ミャンマー
    スリランカ
    対応ジャンルWebシステム開発
    アプリ開発
    開発ツールPHP、Python、Rails、React.js、ReactNativeなど

    6. まとめ

    シンガポールは経済が発展しており、世界中から優秀なエンジニアが集まっている国です。日本国内にはいないような人材も見つけられるかもしれません。ベトナムやフィリピンなどオフショア開発で選ばれやすい国に近いので、プロジェクトマネージャーをシンガポールに置くことも考えられるでしょう。

    しかし、シンガポールは日本以上に発展している側面もあり、エンジニアの人月単価は非常に高額です。そのため、コスト削減をオフショア開発に求めている方にはオススメできません。

    コストを抑えて開発したい方は、ベトナムなどオフショア事例が多い国を選ぶようにしましょう。

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