知らないと損する人件費の効果的な使い方

知らないと損する人件費の効果的な使い方

実は、ベトナムの人件費の安さって裏があるのです。

ベトナムの様子

 

「ベトナムは人件費が安い!」ということをよく聞きます。
プログラマーの月給が300ドルとか500ドルとか。たしかに安いですよね。
でもこれには落とし穴があります。

 

まず、一般的なベトナムのラボ契約の場合、300ドル〜500ドルの給与のプログラマーは、人月にすると2000ドル〜2500ドルぐらいになります。ボーナスの積立などを考えると、だいたい人月30万円ぐらいが支払額になります。

 

「それでも安い!」

と思うかもしれません。それでも日本の1/2〜1/3ですからね。

 

でも、実はこれは間違いです。これは「原価」ですので、その他に必要な諸経費を乗せると、実はそこまで安くなりません。

なぜかというと、ブリッジエンジニアが必要だからです。

多くのラボ契約では、「ブリッジエンジニア」が必要になります。
日本人の場合もベトナム人の場合もありますが、つまりは日本語と英語またはベトナム語の話せるエンジニア(少なくともエンジニアの用語が分かる人)です。
この人がいなければ文化習慣の違う遠隔地の人に英語かベトナム語で個別に指示を出さなければいけないので、「日本語で丸投げできてほっと一安心」というので、歓迎される傾向にあります。

 

ブリッジエンジニアの費用を乗せてみると、ラボの損益分岐点は大きく異なります。

 

ブリッジエンジニアが必要

 

少人数のラボだとブリッジエンジニアは相当なオーバーヘッドになります。
2500ドル3人のラボに4000ドルのブリッジエンジニアを加えると、エンジニア一人あたりは3833ドルかかることになります。人月43万円です。

 

オルグローラボのスタッフの作業風景

 

たしかにベトナム人エンジニアは優秀で真面目かもしれません。
しかし、いかんせん若い。日本だと新卒というあたりです。
日本の新卒エンジニアだと、会社によりますが、安いところだと60万円ぐらいからでしょうか。
翻訳を挟むことや、文化的背景に関する知識の違いを考慮すると、日本の人月60万円と同等のパフォーマンスは出ません。おそらく、この17万円の差は、設計や指示や確認のやり直しで吹き飛ぶことになるでしょう。つまり、日本側の人件費という形で見えないコストが膨れ上がっていきます。

 

大人数のラボの場合は、プログラマー1人あたりの削減額は総量で効いてきます。
しかし、大人数を管理するとなるとマネージャーレベルの人が必要になります。こういった人はもともと高給な上に売り手市場なのでかなり高い値段を提示しないと採用できません。
しかもこれは組織体制としてもリスクが高いです。売り手市場のマネージャーに全てがかかっているわけですから。これは結局マネージャーを増やすとか給料を釣り上げるといった「保険」をかけなければ不安で仕方がない体制となります。大人数のラボはここに費用がかかります。

というわけで、私は、ベトナムの人件費の安さを活用するにはブリッジエンジニアを使わないラボを提案します。

ベトナムの人件費が安いのは確かです。
しかし、見えないコストで総額は高くなっています。
その原因はブリッジエンジニア(その発展形としてのマネージャ)です。

ブリッジエンジニアを使わないタイプのラボでないと、ベトナムの人件費の安さの恩恵を享受できません。

 

一般的なラボ型開発とオルグローのラボ型開発

 

ブリッジエンジニアなしのラボの運営にはノウハウがいります。
ベトナムのプログラマーは優秀ですが「黙っていてもなんでもやってくれる小人さん」ではありません。得意なところと不得意なところを見極めて、明確な指示を出さないといけません。

また、ブリッジエンジニアを使わないということは英語で直接指示をするということです。これを聞いてひるまない人は少ないでしょう。でもやってみると実はできるのです。そこにはできるようにするやり方があります。

あと、そもそも日本で作るものと海外に出しても良いものを見極めるべきです。文化やビジネス習慣に依存するようなシステムはどうしても無理があります。そういうことは日本でやりましょう。海外に出すのは、目で見て分かるものに特化すべきです。

オルグローにはそのノウハウがあります。

オルグローラボ社内の様子

 

なぜなら自分たちでやったからです。オルグローは最初からラボをやろうとしたわけではなく、自分たちの自社開発をベトナムでオフショア開発しようとして、ここに書いた「べからず」を自分たちで実際にやってしまいました。

 

自分たちで失敗を経験し、それを踏まえたメニューを作りました。興味のある方はぜひ下記をごらんください。